当然、AIパネルセッションでも「対話型AIの登場で広告ビジネスが主体のグーグルは大丈夫か」という質問が記者から飛んだ。
ピチャイCEOは質問に対して「検索サービスはこれまでもいくつもの荒波があった。モバイルデバイスが普及したときも検索の利用が減るのではないかと危惧された。しかし実際は違った。生成AIは検索サービスを改善する良いチャンスになる」と語ったものの、広告収入への影響に対する明言は避けた。
ただ、グーグルでは今回、「Search Labs」というベータ版的な位置づけで「GSE(Generative Search Experience)」を披露した。
自転車の購入を検討するという検索に対して、文章や写真などでわかりやすく簡潔に結果を出しているのだが、画面にはきちんとスポンサー広告も表示されていた。
いまのところ、グーグルとしては生成AIによる検索でも広告表示を続けていく考えのようだ。
基調講演でグーグルは生成AI「Bard」を発表した一方、GSEという検索サービスも披露。今回、特に発表は無かったが、グーグルには音声でやりとりする「Googleアシスタント」も存在する。
「調べる」という点において3つの製品が混在しているようにも見えるのだが、これでいいのだろうか。
イベントに登壇した別の幹部は「BardはGoogle workspaceと組み合わせ、コラボレーションして生産性を高めるツールといえる。検索サービスは膨大な情報から欲しい情報を引き出す旅の入り口になる。一方、Googleアシスタントは『電気をつけて』『音楽をかけて』といったようにタスクをこなすためのサービスと言え、様々な用途に合わせてサービスを提供していく」という。
また、最近では調べ物をするのにグーグル検索ではなく、YouTubeの動画から検索するという人も多いだろう。生成AIが主力となっても、こうした複数のプロダクトを用意しておくことで、様々な「調べ方」をグーグルとしては提供していきたいようだ。
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