発明されてから50年間で、電子メールはコミュニケーションの方法をガラッと変えてしまったが、その一方である種の負担にもなっている。ペットシッターの予約や診療記録を請求するための医師との連絡、小売業者への返金請求など、つまらない多くの作業が電子メールを単調で辛いものに変えてしまった。
「Gmail」は、退屈なメール作成という苦痛をなくすための新機能を追加しようとしている。米国時間5月10日に開催されたイベント「Google I/O」で、最高経営責任者(CEO)のSundar Pichai氏は「Help Me Write」を発表した。Googleのプロプライエタリな人工知能(AI)を利用したこの新サービスは、Gmailやテキストメッセージといった同社のアプリでユーザーの代わりにメッセージを自動作成してくれる。
最新の集計によるとGmailには18億人のアクティブユーザーがいるため、Help Me Writeは、電子メールでのコミュニケーションに大きな影響を与えそうだ。Help Me Writeの使い方や、GmailなどのGoogle製ソフトウェアで使えるようになる時期について、もう少し説明しよう。
Gmailで生成系AIが電子メールを作成してくれる新しいHelp Me Write機能は、2017年に加わった「スマートリプライ」機能や2018年に導入された「スマート作成」機能を発展させたものだ。
「スマートリプライ」が返信に利用するフレーズの候補を提案し、「スマート作成」が入力時に決まり文句などを自動入力するのに対して、Help Me Writeはそれをはるかに超えて、簡単なプロンプトから完全な電子メールを作成してくれる。「refine(洗練)」ボタンでテキストを短くしたり、推敲したり、もっとフォーマルな文章にしたりできる。その後は手作業でさらに編集するか、そのまま送信すればいい。
Google I/Oのデモで、Pichai氏はHelp Me Writeを利用して、航空便の欠航に対する全額返金を航空会社に求めるメールを書いた。Help Me Writeは、バウチャーの発行を伝える航空会社からのメールから取得した情報を利用して、ゼロからメールを作成した。
From Smart Reply ➡️ “Help me write” in Gmail ↓#GoogleIO pic.twitter.com/u0ILECSMN4
— Google (@Google) May 10, 2023
「Googleドキュメント」とGmailのテスターは、3月からHelp Me Writeを利用してきた。同社は同じようにテスターを対象として、6月から「Googleスプレッドシート」と「Googleスライド」向けのAIアシスタントを提供する計画だ。
Pichai氏によると、Help Me Writeは、「Google Workspace」のアップデートとともにGoogleユーザー向けに正式にリリースされるが、スケジュールはまだ確定していないという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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