携帯ゲーム機市場はここ数年、非常に活発であり、Valveの「Steam Deck」やPanicの「Playdate」、Analogueの「Analogue Pocket」、さらには、「Nintendo Switch(有機ELモデル)」など、さまざまな製品が登場している。この成長著しいカテゴリーに先ごろ新たに登場したのが、PCメーカーのASUSが手掛けるゲーム機、「ROG Ally」だ。
Steam Deckと同様、ROG Ally(ROGはASUSの「Republic of Gamers」ブランドの略)も携帯型ゲーミングPCである。Steam Deckが「Linux」ベースの「SteamOS」を搭載しているのに対し、ROG Allyは「Windows 11」を採用している。筆者は先ごろ、短時間ではあるもののROG Allyのハンズオンデモを体験する機会を得た。Steam Deckを初めて体験したときと同じように、最初は懐疑的だったが、デモを終えたときには、慎重にではあるもののその性能に感心していた。Steam DeckもROG Allyも、CPUとGPUはAMD製だが、これは「PlayStation 5」と「Xbox Series X」の状況にも似ている。
ROG Allyは5月中旬~下旬に発売されると思われる。価格と構成オプションはまだ発表されていないが、399ドル~650ドル(日本では5万9800円~9万9800円)というSteam Deckの価格を大幅に上回ることはないだろう。
ROG AllyとSteam Deckの外観の最大の違いは、前者には2つの超小型タッチパッドが搭載されていないことだ。この超小型タッチパッドは、Steam Deckの重要な画期的機能の1つであり、キーボードとマウスを使用するPCゲームや全体的なナビゲーションの操作性を高めてくれる。一方、ROG Allyは2本のアナログスティック、トリガーとバンパー、アルファベットが割り当てられた4つのフェイスボタン、十字キーと、標準的なゲームパッドのデザインを採用している。
デモでは、右側のアナログスティックを使用してWindowsを操作することができた。ちょっとした仕掛けとしてそれぞれのアナログスティックの周りに、複数の色に光るリングライトが配置されている。また、Steam Deckの背面にはパドルボタンが2組(左側に2つ、右側に2つ)付いているのに対し、ROG Allyの場合は左右に1つずつしかパドルボタンが付いていない。
もう1つの違いは、Steam Deckと比べると、ROG Allyの方がはるかに軽くて、持ち運びしやすいと感じることだ。仕様に記載されている重さは、Steam Deckが669g、ROG Allyが608gと、それほど大きな違いはないが、後者の方はサイズと形状が重さを効果的に分散させているため、長時間持っていても負担が少なく感じる。
これさえなければ素晴らしいのに、というSteam Deckの最大の制約は、Steamストアで提供されているSteamゲームしかプレイできないことだ。この制約から解放されたければ、「Epic Games Store」やGOGのアプリなどをインストールして設定したり、「Xbox Game Pass」のゲームにブラウザーでアクセスしたりするしかないが、こうした作業はかなり面倒である。
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