一方、ROG Allyには、このような各ゲームプラットフォームにアクセスするためのソフトウェアがプリインストールされていた。短時間のハンズオン体験では、システムの操作性があまり直観的ではないと感じたが、もう少し時間をかけて練習すれば、自然に感じられるようになる可能性もある。インターフェースは、ASUSの「Armoury Crate」ソフトウェアパッケージ(同社のゲーミングノートPCに搭載されている)のカスタムバージョンで、パフォーマンスモードの切り替えやゲームランチャーがあるほか、「Xbox Game Pass Ultimate」の90日間試用版もバンドルされている。
Steam DeckとROG Allyはいずれも7インチのディスプレイを備えているが、後者の方が仕様の上では高性能で、ハンズオンデモでもより優れているように感じた。Steam Deckの解像度はわずか1280×800ピクセルで、リフレッシュレートも最大で60Hzだ。この性能は、ゲーム用のディスプレイとしては理想的なものではないが、その一方で、バッテリー持続時間とパフォーマンスにはプラスに作用するのも確かだ(低解像度でプレイすると、ハードウェアの負担が軽くなる)。
ROG Allyはより標準的な1920×1080ピクセル解像度、120Hzのディスプレイを備える。輝度はSteam Deckよりも明るい500ニトだ。筆者が見た限り、ROG Allyの画面の方が間違いなく印象的だったが、ディスプレイの性能の高さはバッテリー持続時間とパフォーマンスの両方に影響を及ぼす。とはいえ、必要に応じて解像度とリフレッシュレートを下げることができるはずだ。
ASUSのROG Ally | ValveのSteam Deck | |
---|---|---|
CPU/GPU | AMDの「Ryzen Z1」(「Zen 4」CPUと「RDNA 3」GPU) | AMDの「Zen 2」CPUと「RDNA 2」GPU |
RAM | 最大16GB | 16GB |
OS | Windows 11 | SteamOS |
ストレージ | 最大512GBのSSD | 最大512GBのSSD |
ディスプレイ解像度 | 1920×1080 | 1280×800 |
ディスプレイのリフレッシュレート | 120Hz | 60Hz |
重量 | 608g | 約669g |
価格 | 不明 | 399~649ドル(5万9800円~9万9800円) |
筆者がROG Allyで試した最後のデモは、同デバイスをデスクトップPCとして使用するというものだ。Bluetoothキーボード、マウス、モニターを接続すると、Windows 11をマイクロPCのように使用できる。Linux OSに慣れている人は、Steam Deckでも同じことが可能だ(なお、Windowsを無理やりインストールすることもできる)。
だが、ROG Allyには、ほかにもユニークな面がある。ASUSは独自の外付けGPUボックスシリーズを製造しているため、ROG Allyには、そうしたGPUボックスを使用するのに必要な独自のコネクターが搭載されている。「ROG XG Mobile」と呼ばれるこのGPUボックスはNVIDIA版とAMD版の両方が用意されており、米CNETでは過去にASUSのノートPC「ROG X13 Flow」および「ROG X16 Flow」と、「ROG Flow Z13」のタブレットでこのGPUボックスをテストしたことがある。ROG XG Mobileの価格は1200~2000ドル(日本では12万4800円~18万8800円)で(どのバージョンを選ぶかによって異なる)、ROG Allyの本体よりもはるかに高額だ。ROG XG Mobileを接続すると、ROG Ally自体のGPUに取って代わり、より洗練されたグラフィックスでのプレイが可能になる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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