Microsoftは、「Office」を利用する顧客のデバイスに、コラボレーションアプリ「Microsoft Teams」を自動インストールすることを中止する意向だという。本件をよく知る人物の話としてFinancial Timesが伝えている。
この動きは、Salesforce傘下で競合サービスを手掛けるSlackが2020年、両サービスを抱き合わせで提供するMicrosoftの行為は競争法に反すると申し立てたことを受け、欧州連合(EU)当局による独占禁止法に基づく正式な調査を回避するためのものだという。
同社はこれまでにもEU市場における独占的な地位を利用しているとして、幾度となく制裁の対象となってきた。
2013年にはEUと交わした独占禁止に関する合意条件に違反したとして、欧州委員会から5億6100万ユーロ(当時のレートで約679億円)の制裁金を科されている。この合意では、同社がEU地域における既存および新規のすべてのPCに、「ブラウザ選択」画面を表示することが義務付けられていた。
また2008年には、プロトコルの相互運用性や特許のライセンスに関してMicrosoftの設けた価格体系が、独占禁止法違反問題の是正命令を順守しなかったとして、EUは同社に対し8億9900万ユーロ(同約1490億円)の制裁金を命じている。
関係者によれば、今後、企業はOfficeを購入する際にTeamsを一緒に購入するかどうかを選択できるが、その仕組みはまだ明確になっていないという。また、協議は継続中であり、最終決定ではない。
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