大和ハウス工業(大和ハウス)は4月12日、NTTデータ、地域金融機関1行と共同で、住宅ローン業務のデジタルトランスフォーメーションに向けた実証実験を13日から行なうと発表した。
実証実験では、住宅ローン申込人、住宅事業者、金融機関の3者のコミュニケーションのデジタル化と申込情報の伝送に関する住宅ローン業務の効率化について検証する。サービスのモックアップを活用して事前審査から融資実行までのフローを再現することで、住宅ローンに関する情報伝達のデジタル化についての有用性や操作性も確認する。
現在、住宅ローン業務では、住宅事業者と金融機関が密に連携を取りながら、住宅ローン申込人の住宅購入をサポートしているが、住宅事業者と金融機関の負荷が高く、住宅ローンの申込においては、紙をベースとしたやり取りや、電話、FAXを中心とした審査、スケジュール調整などのコミュニケーションが多く残り、バリューチェーン全体でDX化が遅れているという。
大和ハウスとNTTデータは、住宅ローン申込業務に関わる負荷を削減することで、住宅ローン申込人の細かいフォローやサポートする時間を創出し、業務効率の向上やさらなる利益成長のためにDX化に向けた実証実験を開始することにしたと説明する。
実証では、審査状況などを専用のウェブページやアプリなどで共有し、リモート面談やチャットなどデジタルを活用したコミュニケーションで電話対応を軽減するほか、NTTデータの預貯金照会電子化サービス「pipitLINQ(ピピットリンク)」や、「マイナンバーカード」「マイナポータルAPI」も活用。複数の金融機関と連携することで、申込書の記入をする手間を省き、申込人の負荷も軽減するという。また、マイナンバーカードとマイナポータルAPIの活用で、住宅ローン情報の自動入力が可能となり、申込人による申込書の記入や入力作業が不要となるという。
大和ハウスとNTTデータは今後、宅ローン業務におけるDX化の推進に取り組むとともに、構想に賛同する住宅事業者および金融機関を募り、住宅ローン業務に関わる業界全体の業務効率化や生活者の利便性向上を目指すとしている。
将来的には、マイナンバーカードを活用した個人属性情報や公的書類の連携、住宅事業者の顧客管理システムとの連携、損害保険会社と連携による火災保険販売のデジタル化など、住宅ローン業務に関する総合プラットフォームへの拡張を目指す。
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