その目標の達成に関して、Snow氏とCastano氏は2つの大まかな道筋に言及した。1つ目は、より分かりやすいアプローチで、私たちはすでにその流れを目撃している。スマートフォンの物理的なデザインを変えて柔軟性とコンパクトさを向上させることだ。そうした携帯性の重視は、Motorolaが、開くとタブレットサイズのデバイスに変身するスマートフォンではなく、razrのようなクラムシェル型の折りたたみ式スマートフォンを追求している理由の1つだ。Castano氏によると、Motorolaは大型の折りたたみ式も検討したという。ただし、同社はそれ以上の詳細を明かさなかった。
「あの形状には確かに魅力がある。ユーザーに妥協を押し付け過ぎなければ、だが」(Snow氏)
Motorolaの巻き取り式スマホは、今のところコンセプトにすぎないが、画面スペースを犠牲にすることなく、スマートフォンをもっと扱いやすくするという、全体的な目標を達成する別の手段だ。MWCで披露されたプロトタイプには、用途に応じて伸縮できるディスプレイが搭載されていた。小さい状態に収縮させると、画面の一部が本体の背面に巻き取られて、二次的な画面として機能する。
Castano氏とSnow氏は、この巻き取り式デバイスの発売時期も、実際に発売されるのかどうかも明かさなかった。だが、MWCでより多くの人々にこのコンセプトを披露することは、開発プロセスにおける重要な一歩だったという。それによって、Motorolaは現実的なフィードバックを集められるからだ。
例えば、巻き取り式スマートフォンに関する批判の中で、Castano氏の印象に残っているものが1つある。それは、自撮り用カメラにアクセスするのに時間がかかりすぎるというものだった。つまり、同社は、ディスプレイが巻き取られる速度の高速化、あるいは、本体前面へのパンチホール型カメラの追加といった変更を、この概念実証に加えることを検討する必要があるかもしれない。
「社内で消費者と一緒に考えたり研究したりすることも可能だが、一般に公開すれば、はるかに多くのフィードバックを得ることができる」(Castano氏)
もう1つのアプローチは、スマートフォンにかかるコンピューティングの負荷の一部を軽減する新しいタイプのモバイルデバイスを開発して、ユーザーがスマートフォンにあまり頼らなくてもいいようにすることだ。現在のスマートウォッチやワイヤレスイヤホンは、すでにその目標に貢献できるように設計されているが、Motorolaには、それをさらに推し進める方法に関するアイデアがいくつかある。「5G Neckband」というデバイスもその一例だ。このネックバンドには、特定のコンピューティングコンポーネントが格納されているため、スマートメガネなどのデバイスの軽量化が可能になる。
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