「Meta Quest Pro」半年後レビュー:早すぎた未来のデバイス、傑出した点も - (page 3)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2023年04月10日 07時30分

 それと比べると、PS VR2は独自の機能をもっと有効に使っている。視線追跡は、すでに多くのローンチタイトルで、グラフィックの精度を引き上げるフォービエイテッドレンダリングに利用されているし、操作に視線追跡を使うゲームもある。

 われわれが使っているスマートフォンと、現在のVR/ARヘッドセットとの間にも大きなギャップがある。このギャップを埋めようとしているのがQualcommで、Apple、Google、サムスンもおそらく同じ方向に動くだろう。Meta Quest 2やMeta Quest Proと連携するMeta独自のスマートフォンアプリはあるが、Quest Proユーザー向けの見直しは全く行われていない。自分のVR作品をもっと簡単に、あるいは直感的に出力できるという気はしないし、いつも使っているアプリやソフトウェアを、Meta Quest Proで簡単に論理的に使えるとも感じられない。本当の意味でノートPCやスマートフォンの延長のように感じられるのは、いつの日だろうか。まだその見通しは立たない。

 確かに、「ダイレクトタッチ」という実験的なハンドトラッキング機能は追加された。空中で押す動作をすると指でボタンを「押す」ことができ、宙に浮く仮想キーボードでキー入力もできる。より直接的なこの操作は、Microsoftが「HoloLens 2」ですでに実現していることに似ている。ただし、実際に執筆に使えるほどの信頼性はなく、まだ少しぎこちない。Quest Proはまだ、ほとんどのものについてコントローラーで操作するのがベストという段階だ。

 Quest Proには、クリエイティブなツールや作業ツールがたくさんあるが、視線追跡や画質の良いMR機能を除けば、ほぼすべて、Meta Quest 2でも使えるものばかりだ。

Quest 3にはQuest Proの機能の多くが実装されるはず

 Metaの次期ヘッドセットには、Quest Proの上位機能の多くが採用されると予測される。カラーパススルーカメラやMRの機能、小型化されたレンズシステム、より鮮明な映像などが採用され、何よりも、速度と性能が向上したプロセッサーが搭載される可能性がある。視線追跡は搭載されないかもしれないが、どのみち必要ないだろう。Quest Proと同じようなコントローラーが付属する、あるいは少なくともQuest Proのコントローラーを使える可能性もある(Quest Proのコントローラーが小型になったのは気に入っているが、充電の頻度が上がったという不満もある)。

 Meta Quest 3の価格は、500ドル(約6万6000円)前後になると予想されており、それが本当ならQuest Proの価格の約半分だ。筆者はQuest Proの高画質とフィット感は高く評価しているが、それでも、値下げ後でさえまだ999.99ドル(日本では税込15万9500円)という高額で買うべき理由はない。

 これから注目されるのは、VRだけではない。メガネ型デバイスが小型化して、最終的には1日ずっと装着していられるようになるかもしれないし、それまでの当面は家庭内でMRゴーグルとして使われるようになるのかもしれない。Metaのハードウェアはその方向に向かいつつあるが、2023年前半の現時点では、VRは依然としてほぼゲーム用にとどまっている。Quest Proは、ゲーム用に開発されたヘッドセットではない。その点だけ、おさえておけばいいだろう。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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