折りたたみ式のスマートフォンであることを考えると、Honorの選択は直観に反するのではないか、と最初は感じた。しかし、同社はこのデバイスに関して、スマートフォンとしての用途をメインに、タブレットをサブの用途にしたいと考えているようだ。この判断は、HONOR Magic Vsのバッテリー持続時間を延ばすのに寄与したと思う。ちなみに、バッテリーの持続時間は本当に素晴らしい(これについては以下で詳しく説明する)。
同社は、Magic Vsのディスプレイには折り目がないとしているが、それは事実ではなかった。内部ディスプレイの折り目は、さまざまな角度から確認できるし、指先でも感じられる。筆者の場合、本体を開いた瞬間、すぐに折り目が目についた。OPPO Find NやHUAWEI Mate Xs 2といったほかの折りたたみ式スマートフォンのときはよく見れば折り目があったが、Magic Vsでは明らかだった。
折り目はあるものの、映画を見たり、写真をスワイプしながら眺めたりするのには邪魔にならず、没入できる。筆者はそれほど気にならなかったが、この大きな折り目が、購入を見送る要因になる人もいる可能性はある。折り目は、折りたたみ式デバイスのファンが甘んじて受け入れなければならないのかもしれないが、Galaxy Z Fold4では旧モデルほど目立たなくなっている。また、Mate Xs 2は、画面が1つしかない外折り式のデザインを採用しているため、基本的に折り目はない。
Magic Vsの折りたたみ式の鍵は、ヒンジだ。同社によると、このヒンジは航空宇宙産業レベルのポリマー素材で作られており、構造部品の数も削減された(前モデルの92個に対してわずか4個)。このおかげで、ヒンジの軽量化に成功しただけでなく、耐久性も向上している。このヒンジは40万回の開閉に耐えられる強度を備えているという。つまり、1日に100回開閉した場合でも10年間使用できる計算だ。ただし、米CNETは、その主張を独自には検証していない。
HONOR Magic Vsには、5400万画素のメインカメラ、5000万画素の超広角カメラ、3倍光学ズームが可能な800万画素の望遠カメラという3つの背面カメラがある。1600万画素の自撮りカメラも搭載しているが、前面カメラは、より高価なGalaxy Z Fold4よりも1つ少ない。
総合的に見て、写真の鮮明さ、ダイナミックレンジ、シャッタースピード、カメラの多用途性は満足できる水準にある。明るい場所や薄暗い場所、あるいは暗い場所など、さまざまな光量条件下でカメラを使用してみたが、いずれも鮮明かつはっきりした写真が撮影できた。とはいえ、最高のカメラとは言えない。例えば、低照度の環境でより高画質な写真を撮影できることが多い「iPhone 14 Pro Max」にはかなわない。しかし、Magic Vsを購入する人は、カメラモジュールではなく、あの斬新なディスプレイに引かれているはずなので、最高のカメラを備えていなくても、(それほど)大きな問題ではないと思う。
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