「iPhone」への乗り換えは正解だった?「iPhone 14 Pro」「Galaxy S23 Ultra」を比較

Abrar Al-Heeti (CNET News) 翻訳校正: 編集部2023年03月10日 07時30分

 5カ月前、サムスン「Galaxy」シリーズの熱狂的なファンだった筆者は、売れ切れ続出の人気スマートフォン「iPhone」に乗り換えた。以来、Appleの世界にどっぷりと浸かり、「AirDrop」や「iMessage」といった同社の機能をフル活用している(iMessageで筆者のメッセージが「Android」ユーザーを意味する緑色で表示されることが気になっていたiPhone派の友人たちも満足だろう)。

 しかし、Galaxyへの未練が完全になくなったわけではない。特に2月にサムスンから最新の「Galaxy S23」シリーズが発表されると、最上位モデルの「Galaxy S23 Ultra」を、今使っている「iPhone 14 Pro」と比べてみたくなった。そこでGalaxy S23 Ultraを入手し、iPhoneと並行して使いながらカメラの性能やバッテリーの持ち、全体のデザインまで、あらゆる点を比較した。iPhoneに乗り換えたことは正解だったのだろうか。その結果を報告する。

ディスプレイ対決

 最初に断っておくと、筆者が今使っているのはiPhone14 Proであって、「iPhone14 Pro Max」ではない。そのため、Galaxy S23 Ultraの大画面には確かに圧倒された。iPhone14 Proを使っていて特に画面が小さいと感じたことはないが、「YouTube」の動画を見たり、テレビ番組や映画をストリーミング再生したり、「TikTok」をだらだらと観たりするときは画面が大きいに越したことはない。

 大画面の代償として、Galaxy S23 Ultraはポケットに入れて持ち運ぶにはややかさばる。しかし、使える面積が広い割にはかなりスマートだ。

 どちらの機種もディスプレイの品質は高く、大きな差は感じない。S23 Ultraのディスプレイは初期設定の状態ですでに明るい。iPhoneの場合、同じ明度を実現するには「True Tone」(周囲の環境に応じてディスプレイの色や明度を調整する機能)を無効にしなければならない。S23 Ultraの画面がまぶしいと感じる場合はディスプレイの設定で、ブルーライトによる眼の疲れを和らげる「目の保護モード」を有効にするか、「画面」モードで「ナチュラル」を選択することで、True Tone風の画面を実現できる。ホワイトバランスを調整してもいい。写真は、iPhoneの方が若干シャープに見えるのに対して、S23 Ultraは鮮やかさが際立つ。しかし、全体として大きな差はない。

 iPhoneに関して、今も不満を感じる点があるとすれば、キーボードだ。数年前に「iOS 13」で「Quick Path」(なぞり入力)が導入され、「iOS 16」で(ようやく)キーボードに触覚フィードバック機能が搭載されたことは朗報だった。どちらも筆者がAndroidで愛用していた機能だ。しかしiPhoneでテキストを入力する際は今も数字と文字を切り替えなければならず、イライラさせられる。Galaxyのキーボードは数字が文字のすぐ上に配置されているので、ノートパソコンを使っているときのように素早く入力できた。iPhoneでも「Gboard」のようなキーボードアプリをダウンロードすることは可能だが、同じではない。細かい問題かもしれないが、Androidの良い点を採り入れることでiPhoneのユーザーエクスペリエンスはさらに向上するはずだ。実際、Androidが「iOS」より先に実現した機能はたくさんある。次に進もう。

提供:John Kim/CNET
S23 Ultra(右)はキーボード上部に数字が並んでいるので、文字と数字の画面切り替えが不要だ
提供:John Kim/CNET

S23 Ultraはバッテリーの持ちが段違い

Galaxy S23 Ultraの上半分
提供:James Martin/CNET

 GalaxyからiPhoneに乗り換えたのは数カ月前だが、今のところ、バッテリーの持ちに大きな変化は感じない。ハードに使っても日中にバッテリーが切れることはないが、1日の終わりには必ず充電が必要だ。

 しかし、S23 Ultraのバッテリーはレベルが違う。まる1日使っても、ある程度バッテリーが残っている。5000mAhの大型バッテリーを搭載していることを考えれば当然かもしれない。AppleはiPhoneのバッテリー容量を公表していないが、iPhone 14 Proのビデオ再生時間は公称で最大23時間だ。iFixitの分解調査では、iPhone 14 Proのバッテリー容量は3200mAhであることが判明している。

 つまり、バッテリー容量で比較すればS23 Ultraの方が大きいことになるが、AppleはiOSと自社開発のAシリーズチップを組み合わせることで高いバッテリー効率を実現している。一方、Androidは幅広い端末で異なるプロセッサーに対応しなければならないので、iPhoneと比べると大容量のバッテリーを搭載することが重要になる。

 スペックや効率性はさておき、Galaxy S23 Ultraのバッテリーの持ちは驚異的だ。

S23 Ultraは2億画素のカメラセンサーを搭載

 スマートフォンを選ぶ際に、筆者が最も重視するポイントはカメラの画質だ。仕事用でも、ソーシャルメディア用でも、筆者は写真や動画をたくさん撮る。カメラは筆者が10年にわたってサムスンのスマートフォンを使い続けた理由でもあったので、S23 Ultraのカメラ機能をiPhone 14 Proと比較してみた。

 すぐに気づいたのは、S23 Ultraの写真は彩度が非常に高いことだ。おかげでほとんどの場合、鮮やかで魅力的な写真を撮影できた。カラフルなティーカップの写真も、S23 Ultraの方が鮮やかに見える。彩度が高すぎてフィルターがかかっているような不自然な写真になることもあったが、通常は色や被写体をいい意味で際立たせてくれる。

 S23 Ultraで新たに搭載された2億画素のセンサーが、色や細部の強調に一役買っている。装飾的なデザインのティーカップを撮った写真を見ると、複雑な花柄と金の縁取りが強調されていることが分かるだろう。

提供:Abrar Al-Heeti/CNET
Galaxy S23 Ultraで撮った写真
提供:Abrar Al-Heeti/CNET

 しかし、2億画素のセンサーも万能ではない。例えば屋外で撮影した写真では、センサーがハイライトを除去しすぎたために細部がつぶれ、何が映っているのか判別しにくくなってしまった。

 全体として、Galaxy S23 Ultraの写真は柔らく明るい。一方、iPhoneの写真は影が強く、暗めに表示される傾向がある。空を写した写真を比較すると、S23 Ultraが捉えた空は明るく澄んで見えるが、iPhoneの画像では雲の下の影が気になるかもしれない。S23 Ultraは柔らかく明るい写真を撮影できるので、セルフィーの出来も良い。iPhoneのカメラでも、設定をいじってコントラストやトーン、色温度などを調整すれば、同じような効果を実現できるが(逆にS23 Ultraの設定をiPhoneに近づけることも可能)、影などを自動補正する機能があっても良かったと思う。

 カメラ機能に関しては、ポートレートモード周りで意外な発見があった。基本的に、ポートレートモードに関してはiPhoneを超えるものはないと思う。通常は被写体に完璧にピントが合い、背景は滑らかにぼけ、色も自然だ。しかしS23 Ultraに軍配が上がるケースもある。頭の上にサングラスを乗せた友人の写真を撮ったところ、iPhoneはメガネのブリッジや側面をなかなか捉えられなかったのに対して、S23 Ultraはスムーズだった。ちょっとした差だが、Galaxyシリーズのカメラのポートレートモードが大きく進化していることを示す証拠と言えるだろう。それでもポートレートに関しては、彩度が高すぎず、背景の質感や細部をうまく捉えてくれるiPhoneの仕上がりの方が好みだ。

左がiPhone 14 Pro、右がS23 Ultraで撮影した写真
左がiPhone 14 Pro、右がS23 Ultraで撮影した写真
提供:Abrar Al-Heeti/CNET

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