通信事業者の登録情報や連絡先を保存する物理的なSIMカードに加えて、スマートフォンメーカーはこの数年間、物理的なカードを取り換える必要なくサービスプロバイダーを簡単に切り替えられるように、eSIMをスマートフォンに搭載している。しかし、チップメーカーのQualcommは、サービスをデジタル的に切り替えるための新しい方法としてiSIM(integrated SIM)を採用しており、これは、eSIMよりも高速で安価な代替策である可能性がある。
eSIMが単体のチップとしてスマートフォンに搭載されるのに対し、iSIMはプロセッサーに直接搭載され、eSIMと同じように通信事業者のプロファイルをデジタル的に管理することを可能にする。Qualcommによると、iSIMは必要なコンポーネント数が少なく、占有面積が小さいため、コストの低下と効率の向上につながるという。このことからiSIMは、低価格帯のスマートフォンや、タブレットやウェアラブルデバイスなどの接続デバイスに対して、より魅力的である可能性があると、同社はプレスリリースで述べた。
iSIMの開発でQualcommと提携したサイバーセキュリティ企業Thalesのウェブサイトによると、iSIMはeSIMよりもはるかに消費電力が低いため、IoTデバイスに理想的である可能性があるという。
iSIMを採用するのが、Qualcommのチップセット「Snapdragon 8 Gen 2」だ。しかしQualcommは、サムスンの「Galaxy S23」シリーズや「OnePlus 11」など、同チップを搭載して既に出荷されているハイエンドの「Android」スマートフォンで、iSIMが利用可能になるかどうかを明らかにしていない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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