Microsoftは米国時間12月22日、687億ドル(約9兆1000億円)でのActivision Blizzard買収を阻止するために米連邦取引委員会(FTC)が起こした訴訟に反論する書類を提出し、ビデオゲーム業界の競争を阻害することはないと主張した。
FTCは8日に提出した訴状の中で、Microsoftは高性能ゲーム機とサブスクリプションサービスにおける「競争を阻害」することになるとしていた。Microsoftは今回の書類の中で、買収の目的は「Xbox」部門の競争力強化だとして、FTCの主張に反論した。
「Xboxはモバイルゲーム市場における存在感の拡大を目指しており、Activisionのゲーマーの4分の3とその売上高の3分の1以上は、モバイルゲームによるものだ」と、Microsoftは37ページに及ぶ書類の中で述べた。「Activisionの人気ゲームからなる限られたポートフォリオを、さらに多くのプラットフォームでより手頃な価格で提供することにより、消費者にとってより利用しやすいものにすることは、良いビジネスであるとも考えている」(同社)
2022年1月に発表されたこの買収計画は、Microsoftにとってもビデオゲーム業界においても過去最大規模だ。同社は買収の承認を得るために世界各国の規制当局と協議してきた。発表の際には、2023年6月までに買収完了を見込んでいるとしていた。
Microsoftに対するFTCの動きは、IT業界に対する米政府最大の取り組みの1つだ。IT業界では、Microsoft、Apple、Amazon、Alphabet、Metaなどの企業が、世界有数の時価総額の高い企業に名を連ねるまでに巨大化している。そうした著しい成長を背景に、IT業界の権力が大きすぎるのではないか、IT企業が市場を占有しているのではないかと疑問視する声が、競合他社や規制当局から上がっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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