Microsoftはニュージーランドの規制当局に対し、Activision Blizzardは「必須の」ゲームは一切開発していないと述べている。「Call of Duty」の開発元であるActivision Blizzardを軽視するようなこの発言は、同社に対する687億ドル(約9兆2000億円)でのMicrosoftの買収提案をめぐる懸念をかわすことを狙ったものと思われる。
Rock Paper Shotgunによると、6月にMicrosoftは、ニュージーランドのCommerce Commission(通商委員会)に対する回答の中でActivision Blizzardのゲームに「独自性はない」とも述べたという。
Microsoftが選んだ言い回しは、「Xbox」の開発も手掛ける同社にとって、ビデオゲームのヒットメーカーであるActivision Blizzardの買収を世界中の規制当局に認めてもらうことが、どれほど難しいことかを物語っている。「PlayStation」の開発元であり、Microsoftと競合するソニーは、ブラジルの規制当局に対してこの買収提案に関する懸念を示し、消費者は、人気の高い「Call of Duty」がプレイできるかどうかで、ゲーム機を選択すると述べた。
Xboxの責任者であるPhil Spencer氏は1月に「『既存のすべての契約を尊重』し、「Call of Duty」のPlayStationでの提供を維持する」とツイートした。
Had good calls this week with leaders at Sony. I confirmed our intent to honor all existing agreements upon acquisition of Activision Blizzard and our desire to keep Call of Duty on PlayStation. Sony is an important part of our industry, and we value our relationship.
— Phil Spencer (@XboxP3) January 20, 2022
MicrosoftがCall of Dutyの提供をXbox限定としなかった場合でも、「PlayStation 5」(PS5)では利用できない機能や特典をXboxユーザーに提供する可能性がある。Microsoftが月額9.99ドル(日本では850円)で提供する「Netflix」のようなサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」に、この人気の高いシューティングゲームを追加すれば、ゲーマーはXboxになびくかもしれない。PS5上でプレイするために69.99ドル(約9400円)を支払うよりも、魅力的な可能性がある。
Spencer氏は1月、Bloombergに対して、 Microsoftは、PlayStation 5や「Nintendo Switch」などのプラットフォームにも、Activision Blizzardのタイトルの提供を続ける予定だと述べていた。
ニューヨーク大学法学部助教で、米連邦取引委員会の元職員であるDaniel Francis氏は、Microsoftは、Activisionのゲームが利用できなくなったとしても他のプラットフォームは競争できるという安心感を、規制当局に与えようとしている可能性が高いと述べた。「Microsoftは、競合するゲーム機やプラットフォームは、Activisionのゲームに対するアクセスまたは互換性がなくなっても競争力を維持できると主張するだろう」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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