Microsoftは、戦争シューティングゲーム「Call of Duty」開発元のActivision Blizzardを687億ドル(約9兆3000億円)で買収する計画について当局の承認を得ることを目指し、競合のソニーに対し、同ゲームをサブスクリプションサービス「PlayStation Plus」で提供できるようにする案を提示していたという。Bloombergが米国時間12月12日に報じた。8日には米連邦取引委員会(FTC)が、買収の差し止めを求めて提訴している。
ソニーへの提案は、買収に反対しているFTCなどの規制当局による厳しい調査をMicrosoftが回避する上で役立つ可能性がある。
両社に提案が事実かどうかを問い合わせたが、直ちに回答は得られなかった。
FTCは訴状の中で、Microsoftはこの買収によってゲーム市場における「競争を阻害する」ことになると主張している。
また、MicrosoftがZeniMax Mediaなど過去の買収を利用して、宇宙探索ゲーム「Starfield」や吸血鬼と戦うシューティングゲーム「Redfall」といった複数の有名な新作ゲームを独占タイトルにしたことを指摘した。
「Microsoftは、ゲーム業界の競合企業にコンテンツを供給しないことが可能であることを既に示しており、今後もそうするだろう」と、FTCの競争局長を務めるHolly Vedova氏は8日の発表の中で述べた。「われわれは本日、Microsoftが主要な独立系ゲーム制作会社の支配権を握り、それを利用して、活発で成長著しい複数のゲーム市場における競争を阻害するのを止めるための措置をとる」(同氏)
Microsoft幹部らはこの数カ月間、同社が最大級のビデオゲームパブリッシャーの1社として、またゲーム機「Xbox」の製造元としての地位を乱用することはないと、一般大衆と世界中の政府規制当局を納得させるための努力を重ねている。
FTCの発表を受けて、Microsoftのプレジデントを務めるBrad Smith氏は、「当社は最初から競争上の懸念を解消することに努め、今週もFTCに譲歩案を提出した。平和を目指すことを信条としているが、自らの主張に揺るぎない自信があり、その主張を法廷で説明する機会を喜んで受け入れる」とツイートした。
同社に対するFTCの動きは、IT業界に対する米政府最大の取り組みの1つだ。IT業界では、Microsoft、Apple、Amazon、Alphabet、Metaなどの企業が、世界有数の時価総額の高い企業に名を連ねるまでに巨大化している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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