OpenAIが開発したAIチャットボット「ChatGPT」は、任意の質問に対してユーザーに直接回答できるとして大いに話題になったが、The New York Times(NYT)の米国時間12月21日の記事によると、これがGoogleにとっては警鐘になったようだ。
Googleのある幹部は、ChatGPTのようなAIチャットボットについて、「Google検索」に表示される広告やEコマースに大きく依存する同社の事業を覆す可能性があると語ったという。NYTは入手したメモや録音音声を基に、Googleの最高経営責任者(CEO)であるSundar Pichai氏が「GoogleのAI戦略を定義する」一連のミーティングに参加しており、「ChatGPTがもたらす脅威に対応するため、社内のさまざまなグループによる取り組みを方向転換させた」と報じている。
Googleにコメントを求めたが、直ちに回答は得られなかった。
ChatGPTは、オンラインで公開されているデータを利用して、ユーザーのさまざまな質問に対して会話形式で回答するAIチャットボットだ。Google検索は、回答の候補をインターネット上で探してリンクをユーザーに提示するため、ユーザーはリンク先の内容を読まなければならないが、ChatGPTはそれとは異なり、人間によってこれまで記述されていない、独自の新たな回答を提供する。
Googleは独自のAI技術を積極的に構築してきたが、NYTが入手したメモによると、社会に与え得る影響を懸念して、一般ユーザーへの提供には慎重になっているという。その理由の一部は、AIによる回答が、現在オンラインで公開されている、人が作ったデータを基にしているということだ。つまり、人種差別や偏見、誤情報が学習モデルに紛れ込み、不快な回答を出してしまうおそれがある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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