KINTOとトヨタ自動車は12月7日、新しいクルマのサブスクリプションサービスとして、「KINTO Unlimited」を発表した。2022年冬に発売する新型の「プリウス」の一部グレードから提供する。
KINTOが提供する保険や税金などの諸経費を月額利用料に含めるサブスクリプションサービスをベースに、トヨタの技術を駆使して「進化=アップグレード」と「見守り=コネクティッド」という2つの付加価値を提供するという。
アップグレードでは、契約した車に対し、「ソフトウェアアップグレード」と、「ハードウェアアップグレード」を提供する。
ソフトウェアアップグレードでは、トヨタとして初めて、スマホのようにオンラインで更新できる「Over the Air(OTA)」技術を活用する。入庫しなくても安全性能ソフトウェアを好きなタイミングでアップグレードできるという。ソフトウェア衝突被害軽減ブレーキをはじめとした同社の最先端の予防安全技術「Toyota Safety Sense」を、その都度最新に進化させることが可能。費用はサブスクの月額利用料に含むため、契約者の追加の負担はないという。
ハードウェアアップグレードでは、将来的なハードウェアのアップグレードを想定して納車後の後付けに必要な設計をあらかじめ織り込む、新開発の「アップグレードレディ設計」を採用。配線の調整やセンサーの取り付けなど、アップグレードに必要な施工作業の大部分をあらかじめ織り込み、実際の作業を簡素化するという。新車契約時のオプション選択同様、納車後も契約者のニーズに合わせたハードウェアの装備、機能の後付けができるとしている。
ハードウェアのアップグレードの提供は、2023年の中ごろから開始する予定。まずは、ブラインドスポットモニターやパノラミックビューモニター、ステアリングヒーターなどをラインアップしつつ、将来登場する装備や機能もその都度後付けできるようにアイテムの拡充を進めるという。費用の支払いは、アイテムごとの「一括」または、「サブスクの月額利用料への加算」の2つの方法を用意するとしている。
コネクティッドでは、利用者ごとに異なる安全な運転や燃費の向上につながるポイントを、専用のアプリを通じてアドバイスする「コネクティッドドライブトレーナー」を提供する。トヨタのコネクティッドサービス「T-Connect」を活用し、アクセルやブレーキの踏み方などの基本的な挙動や、ハンドル操作、ウィンカーを出すタイミングといった細部にわたる利用者の運転データを収集、分析するという。
なお、コネクティッドドライブトレーナーは、当面の間は実証実験という位置づけ。費用は不要で、将来的にはサブスクの月額利用料に含めて提供するとしている。
専用のアプリやディスプレイオーディオなどを通じて、車ごとの使用状況に合わせたタイミングでエンジンオイルの交換を提案する「コネクティッドカーケア」も提供する。定期的に交換するエンジンオイルの劣化の度合いが、走行距離や運転の仕方、外部環境などにより異なる点に着目したという。サブスクの月額利用料に含み、追加負担は不要になるとしている。
また、アップグレード、コネクティッドという2つの付加価値提供開始に向け、2023年2月を目途に「KINTO Unlimited」専用のアプリを公開予定。サービスの契約から返却するまでの期間に通常は下がる車の価値を維持する独自の仕組みを構築し、価値を維持する分を、サブスクの月額利用料の引き下げにあらかじめ充当するという。サービスをリーズナブルに利用できるとしている。
KINTO Unlimitedは、新型プリウスの一部グレードから提供予定。利用者からの反響などを踏まえて、他車種にも積極的に拡大する予定だ。
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