Appleは、最近発売した「iPhone 14 Pro」シリーズの年末商戦に向けた在庫確保に苦戦している。Bloombergの新しい記事によると、Appleの主要製造工場の1つで抗議活動が起きるなど、中国全土で拡大している政治不安によって、生産はさらに遅れる可能性があるという。
999ドル(日本では14万9800円)から販売されているiPhone 14 Proシリーズは、約600万台の生産不足に陥る可能性が高いと、Bloombergは匿名情報筋の話として報じている。Appleは10月の時点で、中国における新型コロナウイルスの感染拡大で既に供給不足が生じており、世界全体で経済的な不確実性が増し、エネルギー価格の高騰によるインフレが続く中で、その問題に見舞われていることを明らかにしていた。
中国鄭州市にある同社の主要製造工場は、従業員らによる抗議活動に見舞われている。従業員らは、中国の「ゼロコロナ」政策で3年近くにわたって、一斉PCR検査、長期的なロックダウン、取り締まりが繰り返し実施されてきたことに対して、抗議の声を上げている。中国では極めて異例な抗議活動は、同国全土に拡大している。
先ごろ、同社の生産受託業者である鴻海科技集団(Foxconn)で、賃金と不十分な食料配給などに抗議する従業員らが、防護服を着た警備員らと激しく衝突する様子を撮影した、衝撃的な動画がオンラインに拡散した。世界中で約20万人の従業員を擁するFoxconnは、Apple最大のiPhone生産受託業者で、iPhone世界出荷台数のうち約70%を生産している。
Foxconnは現地時間23日、同社ウェブサイトに掲載した声明で、コロナの陽性反応が出た従業員が敷地内の社員寮に住んでいることを否定した。また、従業員との支払い契約について、「支払いは常に履行してきた」と主張した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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