連合型の設計に関して、筆者が最も明白な欠点だと感じているのは、検索とフォロー、「いいね」だ。
誰かを見つけても、簡単にはフォローできないことがよくある。彼らのユーザー名をコピーして、自分のホームサーバーに戻り、そのユーザー名を検索してからフォローしなければならないからだ。フォローはSNSの最も基本的な操作の1つだが、これでは手間がかかりすぎる。
Mastodonでは、投稿に「いいね」をしたり、ブースト(リツイートに相当)したりするときにも、同じ問題がよく発生する。一部のサーバーはウェブインターフェースでポップアップウィンドウを表示する。筆者はそこに自分の長いユーザー名を入力した後、フォローしたり、「いいね」したりすることができる。これは別の種類の摩擦だ。
フォローしたい人を検索したときの精度はまちまちだが、筆者はこのところ、幸運に恵まれている。「Debirdify」のようなTwitter移行ツールを使用しても、自分のTwitterの完全なソーシャルグラフ(約4000のアカウントをフォローしている)を再現するのはしばらくの間、不可能だろう。
過去の投稿を読んでフォローする価値があるか判断するために、ほかのユーザーのプロフィールを開いても、わずかな情報と共に、「ほかのサーバーの古い投稿は表示されない。元のプロフィールをもっと参照してほしい」と表示されることがよくある。
Mastodonの問題のいくつかは、成長に伴う痛みの可能性もあるので、筆者は少し大目に見ている。初期のTwitterには成長に伴うさまざまな問題があり、障害を伝えるクジラが表示されていたことを思い出す。
この1週間で、Mastodonには47万4000件の新規アカウントが追加された。ある統計によると、多数のサーバーにまたがるユーザー数の合計は630万人に上るという。これはかなりの規模だ。 Mastodonの月間利用者数は今や100万人以上になる、とRochko氏は述べている。サーバーが新たな成長に対応するのに苦労する可能性もあるだろう。それに、すべてのサーバーが専門家によって運営されているわけではない。
とはいえ、明るい材料もあると思う。まず、Mastodonには、投稿を編集するオプションがすでに用意されている。資本家の大君主が常に最高の管理者であるとは限らない。広告が表示されないので、ユーザーの気が散ることもなく、プライバシーを侵害するプロファイリングも実行されない。
オンラインでの暴力を根本から阻止しようとするMastodonの試みも称賛に値する。Rochko氏は、「Twitterの過ちから学ぶ」とした初期の投稿で、「強い絆で結ばれた小規模なコミュニティーでは、有害な行動がまん延しにくい」と述べている。
この考えは多分正しい。Twitterと異なるMastodonの特徴によって、暴力は抑制されるかもしれない。しかし、少数の人間しか使えないのであれば、結局のところ、SNSの問題に対する効果的な解決策にはならないだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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