「Pixel 7 Pro」はカメラ機能が大幅強化--ズームの画質向上や新たなボケ補正技術

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年10月14日 08時00分

 新たなハードウェア、ソフトウェア、そして人工知能(AI)により、Googleは最新のフラッグシップ端末「Pixel 7 Pro」(899ドル、日本では12万4300円)のカメラ機能を大幅に強化した。ライバルはAppleの「iPhone 14 Pro Max」(1099ドル、日本では約16万4800円)だ。

Google Pixel 7 Pro
提供:Google

 Googleのスマートフォン「Pixel」シリーズは、販売台数こそサムスンやAppleの後塵を拝しているものの、カメラ機能への評価は年々高まっている。この市場でGoogleがシェアを伸ばすチャンスがあるとすれば、鍵を握るのはカメラ周りの技術だろう。

 2021年モデル「Pixel 6 Pro」の目玉は3つの背面カメラ、すなわち5000万画素のメインカメラ、0.7倍の超広角カメラ、4倍の望遠カメラを格納した「カメラバー」だった。最新モデルの「Pixel 7」では、旧モデルと同じメインカメラが刷新されたカメラバーに搭載されている。上位機種のPixel 7 Proでは、超広角カメラのセンサーは旧モデルと同じものだが、マクロフォーカス機能が備わっている。Pixel 7 Proのみに搭載された望遠カメラは5倍ズーム(絞り値f/3.5)に進化し、新しい4800万画素の望遠センサーにより、デジタルズームを使わない10倍ズームを実現した。

 しかし、Pixel 7 Proの進化はハードウェア面にとどまらない。例えば新しいAIアルゴリズムとGoogleの最新プロセッサー「Tensor G2」が生み出した新たな計算写真技術により、夜景モードの処理速度が向上し、顔のボケの除去や動画の手ぶれ補正が強化されたほか、複数のカメラの画像を合成することで3倍など中間レベルのズーム写真の画質が向上した。これは伝統的なカメラの挙動に近い。

 Pixelのカメラハードウェアを統括するAlexander Schiffhauer氏は、Pixel 7 Proの0.5〜10倍という倍率範囲について、35mm換算で「広角12mmから望遠240mmまでをカバーできるカメラを目指した」と語っている。それは携帯性と柔軟性に優れ、あらゆるシーンに対応できる、カメラファン垂涎(ぜん)の「究極のトラベルレンズ」だ。

 Pixel 7 Proの機能を詳しく見ていこう。

光学2倍・10倍相当のズーム

 最近のスマートフォンの上位機種は、少なくとも3つの背面カメラを搭載し、幅広いシーンに対応できるようになっている。大勢の人がいる部屋や面白い建物の撮影には超広角カメラを活用し、ポートレートや遠くの被写体の撮影には望遠カメラを使う。

 しかし、ズームの間隔が大きいと問題が生じることもある。Pixel 7 Proは、この問題を5000万画素のメインカメラと4800万画素の望遠カメラを組み合わせることで解決した。

 この2つのカメラは、通常はピクセルビニングと呼ばれる技術を用いて、縦2画素、横2画素の計4画素を1つの大きな画素として扱う。これにより、鮮やかでコントラストの効いた1200万画素の写真を生成する。

 しかしピクセルビニングをスキップし、本来の画素をフルに使って撮影した画像の中央部の1200万画素を切り出すことで、メインカメラ(1倍)で2倍ズームの写真を、望遠カメラ(5倍)で10倍ズームの写真を撮影できるようになった。画素数が少ないため画質はやや劣るが、それでも便利だ。Googleの「次世代超解像ズーム」技術によって画像の色とシャープネスも向上した(2倍ズームモードは標準モデルのPixel 7にも搭載されている)。

 Appleの「iPhone 14 Pro」も全く同じアプローチを採用しているが、ピクセルビニングに対応しているのはメインカメラ(1倍)のみだ。

提供:Google; Screenshot by Stephen Shankland/CNET
Pixel 7 Proでは1倍のメインカメラで2倍ズームの写真を、5倍の望遠カメラで10倍ズームの写真を撮影できる
提供:Google; Screenshot by Stephen Shankland/CNET

 しかしiPhone 14 Proが1倍のメインカメラで4800万画素をフルに使った写真を撮影できるのに対して、Pixelは1倍では常にピクセルビニングを使用するため、生成されるのは1200万画素の画像となる。

写真の自由度を高める「Zoom Fusion」

 Pixel 7 Proは、2.5倍から5倍の間のズーム写真については、メイン(広角)カメラと望遠カメラの画像を合成することで画質を向上させている。その結果、メインカメラで撮影した画像をデジタルズームで拡大するよりも仕上がりが向上しているとSchiffhauer氏は言う。

 しかし、これは簡単ではない。2つの異なるカメラのパースペクティブを調整する必要があるからだ。広角カメラと望遠カメラでは、手前のものと奥のものの重なり方が違う。右目だけで見た時と、左目だけで見た時では、光景が違って見えるのと同じことだ。この2つのカメラは焦点距離が異なるため、ピントの合わせ方も違う。

 Googleは違和感のない画像を生成するために、AIなどの処理技術を使って、各画像のどの部分を使い、どの部分を除去するかを決定している。

 このZoom Fusion(ズームフュージョン)は、他の処理が終わった後に実行される。他の処理とは、複数のフレームを1枚の画像に合成してダイナミックレンジを拡大する「HDR+」、手ぶれを監視し、カメラが最も安定しているタイミングで撮影するAIアルゴリズムなどだ。

提供:Google; Screenshot by Stephen Shankland/CNET
ズームフュージョン技術は、2.5倍から5倍の間で撮影したズーム写真の中央部分に望遠カメラの画素を追加して画質を向上させる。AIが2つの画像のパースを合わせ、差を調整する。
提供:Google; Screenshot by Stephen Shankland/CNET

 高画質で編集の自由度が高いRAW形式で撮影する場合は、残念ながらズームフュージョンは利用できない。例えばPixel 7 Proで1200万画素をフルに使ったRAW画像を撮影する場合、利用できるズームレベルは固定の0.5倍、1倍、2倍、5倍、10倍だけだ。

新しいボケ補正技術

 Googleは2021年に、メインカメラと超広角カメラのデータを合成することで、被写体が動いて顔がぼけてしまった失敗写真を修正する技術を導入した。Pixel 7 Proでは、この「Face Unblur」(ボケ補正)技術がこれまでの3倍の頻度で動作するとPixelのカメラソフトウェアを統括するIsaac Reynolds氏は言う。

 この技術は、通常の明るさではより頻繁に、暗所ではより強力に機能し、ピントが合っていない顔でも効果を発揮するという。

 「Googleフォト」アプリには、撮影後の写真のボケを除去するツールも追加された。このツールを使えば、アナログカメラ時代に撮影されたフィルム写真をデジタル化した画像でさえ鮮明化できる。

瞳検出などのオートフォーカスの強化

 オートフォーカス関連の改良もあった。例えば超広角カメラにオートフォーカス機能が追加されたほか、すべてのカメラがイメージセンサーからのフォーカスデータをAIアルゴリズムを使って処理するようになった。

 顔検出だけでなく瞳検出も可能になり、ソニーやニコン、キヤノンなどの高級カメラに近いオートフォーカスを実現している。

 新しいAI技術のおかげで被写体が動いていてもピントを合わせやすくなった。「被写体がカメラから顔を背けたり、別の場所に移動したりしても、頭部に焦点を合わせ続けることができる」とReynolds氏は言う。

 また、大きな帽子をかぶったり、大ぶりで色の濃いサングラスをかけたりしている場合など、顔を認識しにくいケースでも被写体を認識しやすくなった。

 AIを用いた新しいオートフォーカス技術により、望遠カメラへの切り替えも格段に速くなっている。Pixel 6 Proでは、望遠カメラの起動時に一瞬止まることがよくあった。

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