タカラレーベンは9月30日、10月1日に商号をMIRARTH(ミラース)ホールディングスに変更すると「MIRARTHホールディングス 事業戦略発表会」を開催し、発表した。持株会社体制へ移行し、不動産に、エネルギー、アセットマネジメント事業を加えた3つの柱で事業を展開していく。
MIRARTHは「未来」と「地球(EARTH)」を組み合わせた社名。「タカラレーベンという長く親しまれた社名をいかした新社名に変えるのが王道だと思われるが、マンションデベロッパー色だけを強くせず、多岐に渡る事業展開をしていくという意味を込めて、あえて新社名を採用した」(MIRARTHホールディングス 代表取締役 島田和一氏)と由来を明かす。
タカラレーベンは、1972年に創業。2022年に創業50周年を迎えた老舗不動産会社だ。戸建て分譲事業から始まり、新築分譲マンション事業、海外マンション事業などを手掛け、3月には初のホテル「HOTEL THE LEBEN OSAKA」を開業するなど、事業領域を広げている。
今回のホールディングス化は「随分前から検討していたが、50周年に合わせようと思っていたわけではない(笑)。近年事業領域が多角化し、広範に渡ってきた。不動産にとどまらず、枠をこえた取り組みをしていきたい」(島田氏)との思いから実施したもの。新たな体制で「未来環境デザイン企業」を目指す。
軸となる不動産事業では、新築分譲マンションで、中期的に2500戸の売上計上を目指すほか、再開発や老朽化マンションの再生プロジェクトなど、再開発事業への積極参入を推進。加えて、中古マンションニーズ取り込むため、中古、リノベーションマンションの再販も進める。「マンション価格の高騰や供給戸数減少などの受け、中古市場が拡大している。空室の住宅を購入して再販するのではなく、空室より安価に購入できる賃貸中の住宅を購入し、当面は賃貸として保有し、退去後リニューアルして再販していく。そうすると安価に獲得できる上、賃貸収入も得られる。ここは大手企業の参入が少なくニッチな部分。ここにビジネスチャンスがある」(島田氏)と独自の手法を採用する。
また、不動産管理については、「分譲マンション購入後も管理を通して継続的にお客様とかかわれる部分。ライフサポートやサービス、資産を毀損しない維持管理など、重要な役割を果たす。独自のサービス品質管理システム『SQMS(SERVICE QUALITY MANAGEMENT SYSTEM)』を採用しており、管理業務委託の契約継続率は99.6%と高い水準で推移している。自社物件だけではなく、他社物件のリプレイスによる管理戸数も積み上げている」(島田氏)と自信を見せた。
新たな柱に据えるエネルギー事業は「脱FITに向けたビジネスモデルを構築」していく方針。「カーボンニュートラルの推進などから再生可能エネルギーへの注目度が高まっている。この需要を取り込むため、FITに依存しないビジネスモデルの構築を進める」(島田氏)とし、PPA(Power Purchase Agreement=電力販売契約)事業などを推進。「今後については地域のマイクログリッドへの参入も視野に入れ、各自治体や地域の民間企業に向けての提案を実施していく」とする。
アセットマネジメント事業では、インフラファンド、リートや私募ファンドなどの運用を受託し、リートはレジデンスとオフィスで70%となるような資産ポートフォリオを構築していくとのこと。その他事業では、ホテル運営のほか、建設工事請負やリハビリデイサービスなどに取り組んでいく。
島田氏は「これまで同様不動産事業に軸足を置きつつ、地域社会の課題解決に不動産やエネルギー、アセットマネジメントを通じて貢献していきたい。人が安心、安全、安定して健康で暮らせる未来環境デザインの実現を目指し、邁進していきたいと思っている」とした。
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