Googleは米国時間9月28日、「Search On 2022」イベントを開催し、「Google検索」や「Googleマップ」に追加する複数の新機能を発表した。
Googleのアップデートの狙いは、動画や画像など多彩な情報を検索結果に取り込み、結果を表示するGoogleのページをよりリッチにすることにある。Googleは公式ブログへの投稿で、検索結果をさまざまな情報源から集め、最も関連度の高い情報を表示するとした。
例えば、メキシコのオアハカのような観光地の検索結果なら、フライトの所要時間、天気、Wikipediaから引用した人気の観光スポットに関する情報など、Googleが関連度が高いと判断した、これまでよりさらに幅広い情報が表示される。結果のページを下にスクロールすると、地元の市場の写真やアップロードされた動画などを見ることができ、オアハカの街中の様子が把握できる。この機能は今後数カ月のうちに追加される予定だ。
こうした変更は、ウェブサイト上のテキストが表示されるだけだった検索結果を、さらに幅広い分野に拡大しようとするGoogleの継続的な取り組みの一環だ。画像などの素材は有用な情報を提供できるが、このアプローチによって検索結果で情報が完結してしまい、そこを越えて「Wikipedia」、旅行サイト、ショート動画サイト「TikTok」などの潜在的な情報源をさらにタップやクリックしようとするユーザーが少なくなるという側面もある。これはGoogle検索からのトラフィックに頼っているウェブサイトに関して、以前から論議を呼んでいたポイントだ。
検索に関する今回の変更は、GoogleがTikTokとの競争への対応に追われる中で実施されるものだ。中国企業が開発するTikTokはそれ自体が検索エンジン化しており、若い世代の視聴者は、レストランや旅行先などを調べる時でも、TikTokにアクセスしてショート動画をチェックしている。また、2021年にはTikTokがGoogleを抜き、年間で最も人気のあるウェブサイトの座についた。GoogleはTikTokに対抗しようと、「YouTubeショート」を2020年に開始したほか、2023年からはクリエイターを惹きつける施策として、ショートのクリエイターに広告収益を支払う予定だ。
さらに、写真やスマートフォンのカメラに写っている情報を検索できる機能「Googleレンズ」を活用した新機能として、料理や商品の写真やスクリーンショットを撮り、「周辺のマルチ検索」をして店舗を見つけられるようになるという。この機能は秋に米国で提供予定だ。
Googleマップでは「ライブビュー」機能が強化され、今いる場所の周囲を検索し、スマートフォンのカメラをかざしてリアルタイムで表示できるようになる。例えば、パリでカメラを街の通りに向け、その通りの先にあるレストランやATMなどの情報を拡張現実(AR)レイヤーとして表示できる。
また、同社は「イマーシブビュー」機能について、世界の名所に関する250以上の映像を追加しているとした。Googleマップのこれらの機能は、東京を含む世界の複数の主要都市で数カ月のうちに提供予定だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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