「iPhone 14」は、2021年の「iPhone 13」を改良したモデルであり、前年からのアップグレードとしては、Appleの歴史の中で最も小規模な部類に入る。外観は、iPhone 13で好評を博した、側面がフラットなアルミニウムデザインを継承している。内部に関しては、基本的に、「iPhone 13 Pro」から望遠カメラと高リフレッシュレートのスクリーンを取り除いて、再パッケージ化したものだ。その完成度は素晴らしく、iPhone 14はほとんどの人にとって良好なアップグレードである。
iPhone 14の価格は799ドル(日本版は11万9800円)からとなっており、「iPhone 12」と「iPhone 13」が最初に発売されたときと同じだ。より大きな機能改善を望んでいる人は、より高価な「iPhone 14 Pro」や「iPhone 14 Pro Max」を選ぶといいだろう。どちらも、多数のアップデートが施されている。
米国民がインフレに苦しむ中、一部の企業は内容量を少し減らすことで、コストを同じ水準に保っている。iPhone 14は、Appleが2021年の価格を維持しつつ、新しいスマートフォンを発売しようと努力した結果であるように思える。これは「シュリンクフレーション(ステルス値上げ)」の事例なのだろうか。そう考えることもできるかもしれないが、必ずしもそうではない。
iPhone 14を見ると、2013年に「iPhone 5s」と一緒に発表された「iPhone 5c」を思い出す。5cは基本的に「iPhone 5」を新しいプラスチック製ボディに収めたもので、価格を重視するユーザーに訴求することを目的としていた。いくつかの類似点があるが、14は価格のバランスを取りながら新機能を追加することを目指しているように思える。
iPhone 14では、衝突事故検出機能や、携帯電話ネットワークを利用できないときに緊急メッセージを送信するための衛星接続機能など、安全のためのツールが多数追加されている。また、内部の設計を見直したことで熱効率が向上しているほか、ガラスの背面をより簡単かつ低コストで修理することも可能になった。
しかし、これらの機能は、ほとんど人が一度も使用しないで済むのが最善であり、多くの場合、存在を意識することさえない。iPhoneが米国モデルで物理的なSIMカードからeSIMに移行したことでさえ、ほとんどの人がそれを意識するのは、番号を移行するときだけだろう。
一番わかりやすいアップグレードは、「iPhone 14 Plus」と呼ばれるiPhone 14の新しい大型モデルだ。14 Pro Maxと同じ6.7インチのスクリーンを搭載する同機種は、大きなスマートフォンが欲しいと思っているものの、1099ドルも払いたくないという人にアピールするはずだ。ただし、14 Plusの発売は米国時間10月7日まで待たなければならない。
iPhone 14は9月16日に発売され、それ以前から予約受付が開始されていた。
馴染みやすさというのは過小評価される要素ではあるが、iPhone 14はこの点で非常に優れている。6.1インチのOLEDスクリーンは、iPhone 13と同じ「Ceramic Shield」(セラミックシールド)、スクリーンノッチ、マット仕上げのアルミニウムを備えている。iPhone 14とiPhone 14 Proのサイズはほぼ同じだが、前者の方が17%軽い。その軽さのおかげで、14はケースの有無にかかわらず、持ちやすく、使いやすい。
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