トヨタ自動車とトヨタ不動産、トヨタアルバルク東京の3社は8月29日、東京都江東区に次世代アリーナ「TOKYO A-ARENA(トウキョウ エー アリーナ、仮称)」を建設すると発表した。トヨタのショールーム施設「MEGAWEB(メガウェブ)」の跡地を活用する。
国内男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE(Bリーグ)」の1部に所属する「アルバルク東京」のホームアリーナや、バレー、卓球といった室内競技、アーバンスポーツ、パラスポーツ、eスポーツなどの舞台として、幅広くスポーツの魅力を届けるという。
TOKYO A-ARENAは、2025年秋にお台場「パレットタウン」跡地の一画に開業予定。敷地面積は約2万7000平方メートル、収容客数は約1万人で、ゆりかもめ「青海駅」、りんかい線「東京テレポート駅」に隣接する。土地所有会社はトヨタ自動車で、建物所有会社のトヨタ不動産がアリーナの開発を、トヨタアルバルク東京が運営を担う。
メインアリーナとサブアリーナのほか、アルバルク東京の本拠地となる「アルバルク棟」の3つの施設で構成。デザインは街のランドマークとなるよう、シンプルさと駅からの視認性の良さに配慮するという。
アリーナ外部はファミリーパークとスポーツパーク、2カ所の屋上空間を用意。多様な使い方が可能で、365日賑わう場所を目指す。
アリーナ内部は、入った瞬間に臨場感を感じられるよう、メインエントランス入場口とコートの間に仕切りを設置しない。楕円状に設置する観客席はどの席もコートに近く、アリーナ全体で一体感を感じられるという。さまざまなVIP席や眺望も楽しめるスカイラウンジなど、バラエティに富んだ観客席も用意する予定だ。
トヨタアルバルク東京で代表取締役社長を務める林邦彦氏は、2021年に沖縄県沖縄市に開場した「沖縄アリーナ」を引き合いに出し、「『日本のバスケットもここまで来た』というところを見せてくれた沖縄アリーナにワクワクした方も多いと思うが、私たちも首都東京でそういったシーンを見せていきたい。アリーナを活用したさまざまな取り組みが人を集め、地域が活性化し、さまざまな仕事やシーンが生まれる。そんな担い手を目指したい」と意気込む。
TOKYO A-ARENAでは、「可能性にかけていこう」をコンセプトとする「TOKYO A-ARENA PROJECT」を推進する。スポーツやモビリティ、サスティナビリティなどの領域を中心に集積したさまざまな可能性が“解き放たれる場所”となることを、さまざまなパートナーと協力して目指すというものだ。
プロジェクトの重点テーマは3つ。1つ目の「次世代スポーツエクスペリエンス」では、幅広いスポーツで多様な観戦方法の提案、最新テクノロジーの導入などを実施する。また、バスケットボールスクールを初めとしたアスリートによる教室など、より多くの観客にアスリートの熱気と情熱を届けることを目指すという。子どもたち一人一人がさまざまなスポーツ体験を通して可能性をみつける機会の提供や、スポーツテックなどのパートナーとともにスポーツの未来の可能性を模索する方針だ。
2つ目の「未来型モビリティサービス」では、各企業のサービスや技術をトヨタのモビリティテクノロジーと連携させ、観戦体験の向上に挑戦する。
例えば、来場のたびに変化するショップや、並ばずに自席から快適に購入できる飲食とグッズ、観戦前後の移動時への活用などを想定しているという。これまでにないアリーナ体験の創造を目指すとしている。
3つ目は「持続型ライフスタイルデザイン」。TOKYO A-ARENAは国際レベルの環境を実現すべく、米国発の国際標準環境性評価認証「LEED(Leadership in Energy & Environmental Design)認証」の日本初取得を目指している。このアリーナ単体の取り組みに加え、パートナーや地域と一体になった施策も進めるというものだ。
林氏は、「社会と共生するための“持続型ライフスタイル”を、地域の皆さまや来場者と一緒に創り上げていきたい。例えば、アリーナ内で出たゴミのリサイクルやリユース、プラゴミの最小化、地域と連携したフードドライブ活動といったフードロス対策など、パートナーの技術や知恵を借り、皆さまと一体となって推進する。このアリーナは新たな青海のランドマークになるとともに、お隣となる有明の再開発などとあわせてより魅力的なエリアになる可能性を秘めている。魅力ある地域の一員として、スポーツを起点とした情報発信拠点として、青海を文字通りの『青い海』にすべく一緒にチャレンジしていきたい」と語った。
プロジェクトの発表会では、日本バレーボール協会 会長で、トヨタ自動車 ビーチバレー部ゼネラルマネージャーの川合俊一さん、トヨタ自動車所属でパラ陸上競技 短距離選手の佐藤圭太さん、2022年で現役を引退したトヨタ自動車女子バスケットボール部アンテロープス サポートコーチの三好南穂さん、アルバルク東京の田中大貴さんなど、トヨタ関連のアスリートが登壇。
「バスケのアリーナがある会場での(バレーやビーチバレーの)試合の盛り上がり方は尋常ではなく、増えてほしいと思っていたところ」(川合さん)、「バスケ男女の同日試合開催を実現してほしい。バスケクリニックを開く際はぜひコーチを担当させてほしい」(三好さん)、「3年後の素晴らしいアリーナの完成をモチベーションの1つのとして、クラブとしても個人としても成長したい」(田中さん)など、TOKYO A-ARENAへの期待や要望を語った。
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