夏の不意打ち、というところだろうか。Metaが、発売から2年経った仮想現実(VR)ヘッドセット「Quest 2」のエントリーモデルを突然値上げしたのだ。米国時間8月1日から、価格が299.99ドル(日本版は3万7180円)から399.99ドル(同5万9400円)に跳ね上がった。発売されてから2年も経過した製品の値段が上がるというのは、普通では考えられない。だが、今は平時ではない。そして、Quest 2については、これまでが異常だったということだ。
Metaの説明によると、今回の値上げはVRとメタバースへの投資に活用されるということだが、Quest 2は以前から、この手のデバイスでは不自然なほど低い価格に設定されていた。残念なことだが、VR技術の価格高騰は、どうやらこれで終わりそうにはない。特に期待の高いVRヘッドセットの今後の動きについて分かっていることから考えると、遠からず、いろいろなものがさらに値上がりしそうだ。
不安を煽るとか、そういうつもりは毛頭ないのだが、これからのVRヘッドセットは、衝動買いできるものではなくなるだろう。
Metaの次期ヘッドセット、通称「Quest Pro」は、「Project Cambria」とも呼ばれており、2022年秋に登場する見込みだ。視線追跡の機能と、解像度が向上したディスプレイが採用されるほか、カラーパススルーカメラを使って現実世界とVRを融合する複合現実(MR)機能が搭載されるとみられている。そして、価格は800ドル(約10万4000円)以上と予想されている。
長らく待たれているAppleのVRヘッドセットは、2023年リリースの公算が大きくなったが、こちらは3000ドル(約39万6000円)にもなりかねない、まさに桁違いのデバイスになりそうだと報じられている。Apple製品は、ディスプレイ用のポリッシングクロスだろうが、ヘッドホンだろうが、高価なものなのだ。VRヘッドセット、しかもスタンドアロン型で、次世代のApple製プロセッサーを搭載し、網膜並みの解像度、視線追跡機能とハイエンドオーディオまで備えるとなったら、安く上がるわけがない。
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