ビザ・ワールドワイド・ジャパンは6月29日、「Visaのタッチ決済」に関するオンラインブリーフィングを実施。日本におけるキャッシュレス決済の立ち位置や導入状況、今後の展望などを説明した。
同社は、カード番号ではなくワンタイムパスワードで決済する「トークン」、支払金額を口座から直接引き落とす「デビット」とタッチ決済を合わせた3つを、キャッシュレス戦略の主要なエンジンと位置づけている。3つの推進で、キャッシュレス化を促進し、便利で安心、安全なデジタル決済を普及させる狙いだ。
Visaのタッチ決済は、非接触対応の「Visaカード」などをリーダーにタッチすると、サインや暗証番号不要で支払いが完了するサービス。セブン-イレブンやファミリーマート、ローソンといったコンビニエンスストアなどで利用できる。公共交通機関が導入すれば乗車券に応用できる。対応するVisaカードやモバイルデバイスを所有する乗客は、Visaのタッチ決済を導入する世界中の交通機関で利用可能だ。
2022年、日本の公共交通機関におけるVisaのタッチ決済の取引数は、2021年比で約38.1倍に拡大。国内でのタッチ決済対応端末は100万台以上、対応カードは7100万枚を発行しており、18都道府県で25の実証実験が進んでいるという。特にインバウンド需要の狙いを背景に、空港路線での導入が先行しているようだ。
ビザ・ワールドワイド・ジャパンでデジタルソリューションズ ディレクターを務める今田和成氏は、「公共交通機関だけでなく、家電量販店や地方自治体などの利用率も増えた。コンビニやドラッグストアといったすでに導入が進んでいたセグメントもあわせ、タッチ決済の導入が進んでいる」と説明。コロナ禍の落ち着きに合わせて利用率も拡大する見込みで、実際に多くの制限が解除された2022年のゴールデンウィークは期待通りの伸びを確認できたという。
アジア地域としては、シンガポールやオーストラリアを筆頭に、タイなどでも導入が進んでいるという。今田氏は、「ヨーロッパでは当たり前になりつつある、“世界中どこにいても1枚のカードで1日過ごすことができる環境”が整いつつある」と語った。
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