Microsoftの最新PC、「Surface Laptop Go 2」をしばらく試用したので、結果をお伝えしよう。このモデルも、筆者が近場のカフェに持っていく、頼りの外仕事用ノートPCに加わった。国内を横断するフライト中に使ったときも、前席の乗客が最大限までシートを倒してきたときでさえ、十分に活躍した。
ただし、価格と機能の妥協点という、ほぼ不可能に近い至難の業に挑んでいることが露呈した機種でもある。2022年の今、廉価版の(あるいは廉価版に近い)ノートPCを打ち出すには、そうせざるを得ないのだ。その点だけでも、2020年に出た最初のモデル「Surface Laptop Go」とは違った位置付けになっている。
前モデルと比べると、価格は少し上がっているが、性能も少し向上した。構成によっては、かなり向上したといえるだろう。MicrosoftのSurface Laptop Goの第2世代であり、廉価版ノートPCに分類されるが、こうしたノートPCの価格を押し上げている昨今の経済問題をうまく避けなければならない。Surface Laptop Go 2の価格は、基本モデルで599.99ドル(日本版は9万6580円)からとなる。
第1世代のSurface Laptop Goは、筆者もメイン機種の1つとして愛用している「Surface Laptop」から全体の秀逸なデザインを受け継ぎつつ、低価格の購買層向けに仕様を切り詰めようとした。その結果、549.99ドル(約7万5000円)からという価格で、12.4インチの画面と第10世代の「Intel Core i5」を搭載するノートPCとなった。大きな問題は、基本モデルが、価格こそ魅力的な反面、4GBのRAMとたった64GBのSSDという、仕様面で魅力に欠けることだった。当時、筆者は、廉価版ノートPCとして妥当な構成は、8GBのRAMと128GBのSSDを搭載する699.99ドル(約9万5000円)の中位モデルだけだと指摘した。
Surface Laptop Go 2では、いくつか変更が加えられているが、おそらく十分ではない。第一に、基本モデルの価格が少し上がって599.99ドルからとなった。最小構成の場合、ストレージは128GBになったが、RAMは相変わらず4GBのままだ。OSは「Windows 10(Sモード)」(覚えているだろうか)から「Windows 11」に変わり、CPUも第10世代Intel Core i5から第11世代Intel Core i5に上がっている。廉価版であることを考えれば、この点は合格だが、最近のノートPC製品のほとんどが、もっと新しい第12世代のIntel CPUを採用していることには注意したい。完全に1世代分、後れているのだ。
画面のサイズと解像度、重量、ポートの種類、全体的なデザインは、前モデルからほぼ変わっていない。解像度は1536x1024と残念なままだが、タッチスクリーンで、廉価版ノートPCとしてはかなり明るく鮮明だ。
ウェブカメラも、依然として低解像度の720pモデルだが、Microsoftによると、ソフトウェアによる調整で色の再現度とノイズの低減は改善するという。コロナ禍の間に、多くのノートPCがフルHD、つまり解像度1920x1080のウェブカメラを搭載するようになってきたので、筆者はメインのZoom(もちろん「Microsoft Teams」でもいい)ミーティング用デバイスとしては使わないと思う。
Microsoftによると、Surface Laptop Go 2は、同社にとってもプラスなことに、環境へのやさしさも前モデルより向上しており、30%にリサイクルプラスチックが使われているという。修理・保守のしやすさも向上しており、特にSSDとバッテリーの交換が可能になった。ただし、確認できた限りで、RAMとCPUの交換には対応していない。
筆者が考える廉価版ノートPCの基準は、インフレ、供給不足、在宅勤務やリモート授業の増加に伴って変化している。2022年の廉価版ノートPC購入ガイドとして執筆した別の記事でも書いているように、以前は「廉価」と言える上限は500ドル(約6万8000円)と考えていたが、今は700ドル(約9万5000円)近くにまで引き上げた。低価格のノートPCとは言っても、Intel Core i5か同等以上のプロセッサー、8GBまたは16GBのRAM、128GBまたは256GBのSSDを条件と考えるべきだからだ。
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