ここから先の話は、予想できるだろう。最小構成のSurface Laptop Go 2は、(第1世代と同様)RAMが4GBで、これはかなり残念だ。前回も今回も、Microsoftからテスト機として送られてきたのは、8GBモデルだった。確かに、Microsoftは4GBでもWindows 11の要件を公式に満たすとしているが、RMAを増やした方が、操作性の満足度がはるかに高くなると思う。699.99ドル(日本版は10万9780円)出せば、プロセッサーはCore i5のままでも、RAMが8GB、SSDが128GBになる。799.99ドル(同12万2980円)出せば、RAMが8GB、SSDは256GBになる。これとは別に「法人向け」モデルもあり、それならRAMは16GBになるが、法人向けの専用販路を利用する必要がある。
もう1つ気になるのは、799.99ドルまでいくと、廉価版ノートPCの価格帯を超えてしまうということだ。それなら、もう少し予算を上げて、お得に買えるHPの「Envy」シリーズやDellの「XPS 13」を候補に加えたくなる。あるいは、同じMicrosoftの上位機種「Surface Laptop 4」(の最新モデル)も、価格は799.99ドル(日本版は11万8580円)からだ。ただし、799.99ドルのSurface Laptop 4は、CPUがAMDの「Ryzen 5」で、RAMは8GB、SSDは128GBになることに注意しよう。高級感のあるデザイン、大型で高性能のディスプレイが採用されているが、ストレージには限りがあり、CPU性能もほぼ間違いなく低くなる。そのため、魅力は感じつつも、やはり筆者の選択肢からは外れる。
このように、比較検討する選択肢は多くても、最終的な答えは第1世代のときと同じで、ストレージは不十分ながら、699.99ドルのモデルを推奨するという結論になる。率直に言って、廉価版ノートPCの購入は、上位モデルより難しくなってきた。各種機能と価格のトレードオフを常に計算しなければならないからだ。
筆者がSurface Laptop Go 2を手にしたのは、実際に持って出かけるのに理想的なタイミングだった。飛行機で国内を横断する旅に持っていくことにした。新しいノートPCの品質テストと同じくらい真剣に比較してみた。
見かけ、使用感、パフォーマンスは、前モデルとほとんど変わらなかった。前モデルは、毎日使うノートPCとはならなかったが、かなり気に入っていた。見かけと使用感は依然として高級モデルのようで、アルミニウム製の筐体、打ちやすいキーボード、広く感じられるアスペクト比3:2のディスプレイがそう感じさせている。「MacBook Air」並みの堅牢さも備えており、廉価版の弱点になりやすいヒンジも、ディスプレイ幅のほぼ全体にわたっていて丈夫だ。
13インチのノートPCに近いが、MacBook Airよりも小さいサイズは、機内のトレイテーブルにもうまく収まった。電源ボタンに組み込まれた指紋センサーは高速で反応性も高いが、最小構成モデルには搭載されていない。
基本的なアプリケーションやウェブブラウザーを日常的に使う分には問題ないが、ブラウザーは必然的に「Chrome」ではなくMicrosoftの「Edge」を使うことになった。Edgeは、処理能力の低いWindows 11システムに合わせて最適化されているからだ。
米CNETのパフォーマンステストでは、第11世代のCore i5を搭載する2022年モデルの方が、第10世代Core i5搭載の2020年モデルより確かに高速だった。だが、他の廉価版ノートPC、例えば「Gateway 14.1インチ」や、AMD「Ryzen 7」プロセッサーを搭載するいくつかの機種の方が、ベンチマークテストの結果は高かった。現在、米CNETでお手頃ノートPCとして好評のGatewayは、Surface Laptop Go 2とプロセッサーこそ同じだが、16GBのRAMと512GBのSSDを搭載し、現時点の価格は499.99ドル(約6万8000円)だ。ただしデザインは、Surfaceほどスマートに洗練されてはいない。
他のノートPCは、ほぼ同じ価格帯で仕様が高くなっているが、Surface Laptop Go 2の全体的な見た目と使用感には、やはり一定の価値がある。廉価版ノートPCは、実際に楽しく使えなければ役に立つとは言えない。持ち運びやすさ、外見、打鍵感で選ぶなら、これは良いノートPCと言えるだろう。だが、お勧めできそうなのは、廉価版でも高めの価格を候補に入れている人だけで、そういう人は、ノートPC購入層の中でもごく少数だろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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