今後も円安基調が継続すれば、この秋に発売されるiPhone14(仮)はとんでもない値付けになることが予想されるだろう。ただでさえ上位モデルは20万円近い値付けも珍しくないだけに、iPhone 14(仮)では20万円を超えるモデルが相次ぐのではないか。
ドルと円の換算レートだけを見れば「値上げで困る」という話だけで済むのだが、これが中国の通貨、人民元と円の換算レートも考慮するとさらに厄介な話になる。
2022年6月13日現在、1人民元は20円という換算レートになっている。2014〜15年頃に19円台という換算レートをつけ、一時は15円前後となっていたが、2021年から円安基調となり、いまでは20円を超えるようになってしまっているのだ。
2014〜15年、人民元が19円台の換算レートだった頃、9月のiPhone発売日にはアップルストアに大行列ができていた。しかも、大半は外国語を喋る人たちばかりで、大量の札束を持った元締めのような人も見かけられた。外国から見れば、日本で発売されるiPhoneは換算レートの関係からとても割安であり、しかも外国人が購入するとあって消費税なども免税となっていた。
また、当時はiPhoneは世界同時発売ではなく、日本や米国の発売日は早かったが、他の国はちょっと遅れて発売されるという状況であった。そのために大規模な組織によって、アップルストアには大行列ができ、転売目的でiPhone(当時はiPhone 6など)が買われていったのだった。
今年の9月に人民元が20円台の換算レートとなると、まさに2014、15年の再来となり、アップルストアには外国人が群がる可能性がある。最近はオンラインによる事前予約が導入され、かつての大行列にはならないことが予想されるが、その事前予約が取りたくても取れないという状況になることは考えられる。
iPhone14(仮)が発売されても、日本のユーザーは「高くて手が出ない」に加えて「欲しくても予約すらできずに手に入れられない」という二つのハードルを乗り越える必要が出てきそうだ。
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