2022年の今、iPhoneでパスコードや生体認証によるロックを使わないというのは、想像もつかないことのように思える。しかし、そのようなセキュリティのせいで、スマートフォンのアクセス性が低下していると感じることもある。スマートフォンのロックを解除しなければ完了できない日常的なタスクの多さを考えると、なおさらだ。筆者は、天気を確認したり、Uberがどれだけ近くにいるのか確かめたり、帰宅中に使用できるだけのバッテリーが「AirPods」に残っているかチェックしたりするために、パスコードを入力したり、右にスワイプしたりしたくない。これらの新しいウィジェットが利用できるようになれば、ロック画面は、個人的でプライベートな情報は保護しつつ、ユーザーが一目で確認したいデータを表示するという役割を、より効果的に果たせるようになるかもしれない。
Appleが、新しいロック画面機能を追加することで、「Android」に追いつこうとしている感じもして仕方がない。何年も前から常時オンのディスプレイを提供してきたという事実から分かるように、Googleやサムスンなどの企業は、何年も前からロック画面の価値を理解している。また、Googleも、6月6日に発表されたアップデートの一環として、「Pixel」スマートフォンのロック画面の新機能を披露している。
iPhoneとApple Watchの進化に伴い、ロック画面から特定の機能やアプリに直接アクセスできることの重要性が高まっている。「Appleウォレット」はその格好の例だ。搭乗券やイベントチケットをロック画面に表示する機能は、Apple Walletの利便性を高める大きな要素である。Appleウォレットは、iOS 16と、物理的な財布を置き換えるというAppleの野心の大きな要素でもある。
iPhoneの超広帯域無線(UWB)技術の重要性が高まるにつれて、ロック画面の機能がさらに増える可能性もある。UWBは、iPhoneが近くにある対応製品をより簡単かつ正確に見つけられるようにする無線規格だ。例えば、iPhoneがターンバイターンナビゲーションによって、紛失したAirTagにユーザーを誘導できるのは、UWBのおかげである。また、この技術によって、スマートフォンは、デジタル版の車の鍵としても、よりうまく機能するようになる。
長期的には、UWB技術によって、スマートフォンは周囲の環境をよりインテリジェントに認識し、ユーザーが自動車に近づくとドアのロックを解除できるようになる可能性がある。自動車やサーモスタットなど、スマートフォンが簡単に接続できる日常的なスマート機器が増えるにつれて、関連情報をロック画面に表示する機能の利便性も向上していくだろう。例えば、Google Pixelは新しいアップデートにより、ドアベルの「Nest」を所有している場合、誰がドアの向こうにいるのかをロック画面から確認できるようになる。
今のところ、多くのiPhone所有者がiOS 16で最も楽しみにしているのは、新しい写真効果とロック画面のカスタマイズ機能だろう。だが、Appleのロック画面の刷新は、iOS 16とそれ以降の「iOS」で、人々が思っているより重要な意味を持つことになるのかもしれない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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