Facebookを傘下に持つMetaは米国時間5月23日、新しい人工知能(AI)プラットフォームを開発していることを明らかにした。仮想世界向けのよりリアルなアバターを開発する同社の取り組みに役立つ可能性がある。
現在、デジタル空間に存在するアバターはアニメのようで、実際の人間のように滑らかに動かない。これらのアバターを改良するための鍵は、人体の筋骨格系を構成する骨、筋肉、関節について詳しく学習することにある可能性があるとMetaは考えている。
同社のAIチームは、リアルな筋骨格モデルを既存のモデルより効率的に作成する「MyoSuite」というプラットフォームを開発した。新たな身体性を持つAI(embodied AI)プラットフォームだ。モーターとニューラルインテリジェンスを統合し、生体力学的なコントロールの問題に機械学習を適用すると説明されている。ペンを回したり、鍵を回転させたりするなどの複雑な動きを模倣するよう、これらのモデルをトレーニングすることが可能だ。例えば、腱移行などの特定の手術の後に現れる結果をシミュレーションする研究者の作業に役立てられるかもしれない。
Metaの最高経営責任者(CEO)で共同創業者のMark Zuckerberg氏は、MyoSuiteに関する声明の中で、「この研究は、補装具、身体のリハビリ、外科手術の進展を加速させる可能性がある。メタバース向けのよりリアルなアバターを開発する当社の取り組みにも役立つ可能性がある」と述べた。
Metaは、MyoSuiteを使って構築した筋骨格モデルをオープンソース化するとしている。また、広範なコミュニティの支援を必要としており、近くNeurIPSのコンペティショントラック「MyoChallenge」を実施し、コミュニティを招待するとしている。モデルを改善し、片手で2個の金属製の健身球を回転させるといったより難しい課題をシミュレーションできるようにしたい考えだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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