Fitbit創業者インタビュー:グーグルの「Pixel Watch」とFitbitの未来

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年05月18日 08時00分

 Googleが2019年にFitbitの買収を発表した際、私は「Wear OS」と「Fitbit」の融合がすぐに行われるのではないかと思わずにはいられなかった。果たして、FitbitはWear OSの新しい顔になるのだろうか。Fitbitの技術を搭載した純正「Pixel」スマートウォッチが登場するのだろうか。その答えは、どうやら「イエス」のようだ。長らくうわさされてきた「Pixel Watch」を、Googleがついに発表し、今秋発売する予定だ。「Apple Watch」に対するGoogleの回答であるこのスマートウォッチには、Fitbitの一部機能が採用されている。これは、Googleが2022年の年次開発者会議「Google I/O」で発表した複数の製品の1つだ。

Pixel Watch
提供:Google

 GoogleとFitbitは2021年、次世代Wear OS搭載ウォッチとFitbitをどのように融合させるかの検討を始めた。Pixel Watchはその融点のようだ。FitbitがPixel Watchにどのように組み込まれるのかは、まだ不明確だ。そのセンサー類は、Fitbitのセンサー満載の最近のウェアラブル、「Sense」や「Charge 5」のものと同じなのだろうか。現行のFitbitの製品やアプリはいずれなくなってしまうのだろうか。そして、Pixel Watchは、将来のWear OS搭載スマートウォッチがFitbitのソフトウェアを実行するようになる日が来ることを示すのだろうか。

 Fitbitの共同創業者でバイスプレジデント、ゼネラルマネージャーのJames Park氏は、現在Googleのウェアラブル事業部の責任者としてPixel Watchの開発を主導している。同氏は米CNETによる独占インタビューで、Fitbitのスマートウォッチの未来や、Pixel WatchによってFitbitがどう変わると考えているのか、フィットネスの未来にどう期待しているかなどについて語った。私は仮想現実(VR)についての考えについても尋ねた。

 Park氏は、トラッキングデバイスを含めて、Fitbitの新デバイスが今後も登場し続けること、Fitbitのサブスクリプションサービス「Fitbit Premium」はPixel Watchの重要な機能の1つであることなどを確認した。Park氏はまた、睡眠トラッキングをはじめとするいくつかのFitbitのサービスは、スマートウォッチやフィットネスベルト以外で進化するとも示唆した。

 以下のインタビューは、長さと分かりやすさのために少し編集してある。

GoogleのPixel Watch
GoogleのPixel WatchはFitbitのサービスを搭載するが、唯一のFitbitデバイスとはならないようだ。
提供:Google

--Pixel Watchは、Fitbitとその将来の計画の中で、どういった位置付けにあるのでしょうか。

 大まかに言えば、Fitbitのミッションは今でもGoogleで続いています。世界中の人々をより健康にするために手助けをするというミッションです。Pixel Watchは、GoogleとFitbitが提供する多様な価格帯のデバイス群の一部になります。Pixelブランドではハイエンドのデバイスを提供します。Fitbitのデバイスも引き続き他の価格帯で提供します。

--Pixel Watchは発売段階からFitbitのすべての機能を搭載するのでしょうか。

 今言えることは限られますが、Fitbitのメリットを徐々にでも可能な限りPixelに取り込みたいと考えています。Rick(Googleのデバイス&サービス担当シニアバイスプレジデントのOsterloh氏)は心拍数と睡眠の計測機能について語りました。これらはPixel Watchの非常に重要な機能です。これは1度で完了する話ではありません。われわれは今後もソフトウェアを改良し続けます。

--Pixel Watchは、Fitbitのスマートウォッチの今後の方向性を示す指標だと考えますか。

 価格と機能の連動が重要だと思います。Pixel Watchは、LTE接続や高度な健康とフィットネスの機能を求めるユーザー向けですが、そうした機能のすべてを必要とするわけではない人々もいます。後者にとっては、最先端の健康機能を備えるトラッキングデバイス、われわれの「Charge」が向いています。Chargeは最新のヘルスセンサーをすべて備え、スリムでバッテリー持続時間が長い。PixelにFitbitサービスを組み込むことのメリットは、多様なニーズに合うさまざまなデバイスを提供できることにあります。人々はその中から自分にぴったりなデバイスを選べます。

--Fitbitの「Sense」と「Versa」は今後も存続しますか。

 SenseとVersaの長所は今後も続きます。これらやトラッキングデバイスはバッテリー持続時間が優れており、価格も非常に手頃です。今後も重要な製品であり続けるでしょう。

--「Google Fit」に関心があります。FitbitのサービスとGoogle FitはPixel Watchで共存すると思いますか。

 今のところ、Google FitとFitbitアプリは現状のままだと思います。いずれかのユーザーのこれまでの体験を中断させたくありません。それぞれのサービスにかなりの数のユーザーがおり、いずれのユーザーもさまざまな理由でそれぞれのアプリを気に入ってくれています。今のところ、この状態を変える理由はないと思っています。

--ユーザーデータを分離しておくというコミットメントがあると理解しています。一方、Fitbitデバイスのユーザーは、もっとGoogleのサービスを使いたがっていると思います。

 今後、Googleの機能の一部をFitbitデバイスに搭載するのを楽しみにしています。例えば、ランニングの際、腕に巻いたデバイスにGoogleのナビを表示できるようになるでしょう。これは、ほんの一例にすぎません。統合は双方向になります。Googleの機能をFitbitデバイスで使えるようになり、Fitbitの機能はPixel Watchで使えるようになります。

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