Googleは米国時間5月11日、「Google I/O」カンファレンスで、同社初のスマートウォッチ「Pixel Watch」を先行披露した。2022年秋にリリースされる予定だ。発売に向け、今後さらなる詳細が明らかにされるという。
Pixel Watchは丸みを帯びた円形デザインだ。Googleのスマートウォッチソフトウェア「Wear OS」を搭載し、「Fitbit」のヘルスケア、フィットネス機能を備える。価格は明らかになっていないが、Googleはプレミアム製品として販売するとしている。
GoogleはPixel Watchを投入し、スマートウォッチ市場に初めて本格参入することになる。Counterpoint Researchによると、スマートウォッチ市場は2021年、出荷台数が前年比で24%増加した。何年も前からスマートウォッチを販売しているAppleやサムスンなどの競合企業が市場をリードしている。Googleは、Appleやサムスンが提供するような、スマートフォン、タブレット、ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチで構成される完全な製品エコシステムとして「Pixel」ブランドを築き上げるため、新しいPixel Watchを欠かせない要素として捉えている。
Googleは2021年1月にFitbitの買収を完了し、1年以上が経過している。Pixel Watchの開発を率いるのはFitbitのチームだが、Googleのデバイスおよびサービス担当シニアバイスプレジデントRick Osterloh氏によると、Googleが2つの製品ラインを統合する計画はない。
Fitbitの創業者で、Googleのウェアラブル部門を率いるJames Park氏は、Pixel WatchとFitbitの製品シリーズは互いに補完し合うものになると述べている。健康管理機能に加えて、LTEのサポートなどの従来型のスマートウォッチ機能を重視するユーザーはPixel Watchを選択する可能性が高いかもしれないが、フィットネスとバッテリー持続時間を重視するユーザーにはおそらく「Fitbit Charge」が理想的だろう。
Googleによると、Pixel Watchには、「Googleマップ」「Google Wallet」「Googleアシスタント」などの人気の高いGoogleアプリのほか、「滑らか」で「操作しやすい」と感じられる刷新されたソフトウェアが搭載される予定だ。また、カスタマイズ可能なバンド、「Apple Watch」に見られるような触覚機能のあるクラウンがある。
市場調査企業Gartnerのシニア主席アナリストTuong Nguyen氏は、GoogleがPixel Watchのような新しいハードウェア製品を発売する目的は、必ずしも最大限の数を販売することではないと指摘する。Googleのアプリやサービスをユーザーが使い続け、生活の中で一層主要な役割を果たすようになることが重要だ。Appleが成功させているような戦略だ。
「ハードウェアは送り届ける仕組みのようなものだ」とNguyen氏は言う。「少なくとも、恐らく短期的、中期的には、それで何ができるかということにフォーカスする」(Nguyen氏)
Googleは、価格、提供予定、機能の詳細、バッテリー持続時間や、プロセッサー、ヘルスセンサー、ディスプレイの種類といった具体的なハードウェアの仕様を明らかにしていない。そうした疑問に対する答えは、リリースが迫る2022年秋に分かるだろう。
GoogleはFitbitを傘下に持ち、Wear OSソフトウェアプラットフォームがFossilやサムスンをはじめとするスマートウォッチに採用されていることなどから、既にスマートウォッチ市場である程度の影響力を持っている。Pixel Watchが発売されれば、Googleはこれらのスマートウォッチメーカーのパートナーであり、競合企業にもなる。Googleは、Androidを搭載するスマートフォンに対するPixelスマートフォンがそうであるように、「Android」ウォッチの理想的なエクスペリエンスがどのようなものであるかを示す機会を得ることにもなるだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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