Fitbit創業者インタビュー:グーグルの「Pixel Watch」とFitbitの未来 - (page 2)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年05月18日 08時00分

--Googleのそうした体験の一部は、Osterloh氏が頻繁に持ち出す「アンビエントテクノロジー」を想起させます。確かにGoogleのサービスにはデバイス横断のアンビエントテクノロジーがあります。Fitbitのサービスも、スマートウォッチを超えてGoogleのエコシステムの他の領域にまで拡大すると思いますか。2021年にはNestデバイスに睡眠トラッキング機能が加わりました。

 FitbitがGoogle傘下になって変わったことの1つは、構築している健康体験を当社デバイスをはるかに超えるものとみなすようになったことです。体験する場をもっと広げたい。その例がPixelであり、Nestです。さらなる機会を検討していきます。それは、何億人の、さらには何十億人の健康をどう支援していくかというわれわれの目標の一部です。健康体験をFitbitのデバイスだけに制限していては、この目標は達成できません。

--「Pixel Buds」やもしかしたら運動器具、スマートテレビなどでしょうか。GoogleがFitbitの健康体験を取り入れられそうなものはたくさんありますね。

 具体的な計画については話せませんが、その通りです。Fitbitの健康体験は多様なものに拡張できます。人々はワークアウトやヘルスケアのために、多くの異なるデバイスを使います。ジムで、家で、アウトドアでエクササイズをします。健康体験は実に多様な場所にあります。

--スマートウォッチを超えるものとして、VRフィットネスやゲーム化されたフィットネスなどが既にあります。例えば、Metaは(フィットネスデータを)Appleのヘルスケアアプリと連携させています。Fitbitを活用できそうなゲームなどの機会が多くあるのではないでしょうか。

 そうですね、VRは興味深いと思います。ゲームとフィットネスは明らかに、理にかなった組み合わせです。それはまさに、任天堂の「Wii」からFitbitが着想を得たもので、われわれはソファーに座りっぱなしの人をもっとアクティブに動かすためにモーションセンサーを使っています。拡張現実(AR)とVRはフィットネスにとって本当にクールな機会だと思います。歩数計が投影されるサイクリング用メガネがあるし、水泳用ゴーグルにもAR搭載のものがあります。こうしたデバイスがより洗練され、実際に人々が装着するようになれば、これらに健康やフィットネスに役立つ機能を追加することで、非常に興味深いものになると思います。

Googleの製品群
Fitbitのサービスは、Googleの製品群の多様な製品を横断して使えるようになる可能性がある。
提供:Google

--サービスについての質問です。有料サブスクリプションサービスのFitbit Premiumは、Pixel WatchのFitbit戦略で大きな役割を果たすと思いますか。

 そう思います。私が以前お話したのは、ビジネスモデルの観点から、ヘルスケア・フィットネスと広告サポートモデルの組み合わせは、ユーザーのニーズに応える最善の方法だとは思わないということです。そのため、収集したヘルスケアおよびフィットネスの個人情報がGoogleの広告システムと共有されることは決してないという約束をしました。Fitbit Premiumは今後もわれわれの戦略の重要な要素であり続けます。ユーザーがこのサービスに価値を見出し、喜んで対価を支払ってくれているのは素晴らしいことだからです。

--Pixel Watchで最も達成したいことは何ですか。

 Pixel Watchのデザインは素晴らしいものです。ウェアラブル製品で最初に肝心なのは、装着してみたくなるような興奮を作り出すことです。それは実現できたと思います。次のステップは、Googleのサービスとヘルスケアおよびフィットネス体験の両方で、とにかく自然に、なめらかで直感的に感じてもらえるようにすることです。Pixel Watchに搭載される処理能力とグラフィックス性能は素晴らしいものになるでしょう。とてもなめらかなインターフェースを期待しています。コンピューティングに限らず、生活の一部でありつつひっかかりにならないようなアンビエントな体験を生み出すことが重要です。

--それはアプリとして表示されるのでしょうか。それともウィジェットにするのですか。あるいはPixel Watchの構造に組み込まれた、常時存在するものになるのでしょうか。

 今後進化していくでしょう。しかし、合併したGoogleとFitbitに今できることは、体験をより統合させることです。2社が別会社のままだったとしたら、ユーザー体験はもっとまとまりのないものになっていたと思います。たとえばPixel Watchの文字盤にどれだけFitbit体験を入れられるか交渉しようとしていたでしょう。しかし、1つのチームとして動いている今、意思決定は実に簡単になりました。

--あなたが人工知能(AI)について触れたとき、いくつかの可能性について考えました。1つは、間違いなく音声アシスタントでしょう。他には、ルーティンの自動認識やプロアクティブな提案、インサイト、コーチングなど、プロアクティブなインテリジェンスもありそうです。

 そうしたインサイトを引き出すために、Googleの経験とノウハウ、特に機械学習のノウハウは役立ちます。ユーザーがこれまで何年にもわたってわれわれに尋ねてきたことは、「Fitbitで収集したデータから多くのメリットが得られるそうだが、それはどういうことですか? どんな効能があるのですか? もっとプロアクティブな機能になりますか?」ということです。ユーザーから集めたデータにGoogleの多様な機械学習技術を適用することで、大きなチャンスが生まれると思います。

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