米国時間2017年3月3日に最初に発売された「Nintendo Switch」が5周年を迎えた。当時、筆者はその突飛なデザインに驚嘆し、このゲーム機がどれだけの成功を収めるのだろうかと思った。それから5年後の今、Nintendo Switchは任天堂史上最も成功したゲーム機になったと同時に、ゲーム機全体としても現在最も売れている機種の1つになった。
もっと先進的なゲーム機はいくつもあるが、Nintendo Switchは今も筆者のお気に入りの機種だ。しかし、2022年になった今、Switchが再び進化すべきときが来たように感じる。ゲームの世界はすでに進化して、Switchの影響を反映させているだけでなく、Switchの次の変革の可能性を暗示している。
任天堂は時々突飛で風変わりなことをする。「ニンテンドーDS」が最初に登場したときのことは忘れもしない。奇妙な2つの画面と専用のタッチペンを搭載し、ゲーム機が突然変異したかのようだった。任天堂の「Wiiリモコン」と「ヌンチャク」コントローラーに至っては、遠い未来からもたらされたアイデアのように見えた。しかし、Nintendo Switchが2016年に発表されとき、このゲーム機が天才的なアイデアであることは明らかだった。
同じアイデアは、それ以前にも見たことがあった。タブレットをコンバーチブルデバイスにする試みはすでに始まっていた。Razerは2013年、「Razer Edge」という独自のゲーミングタブレットを発売した。周辺機器として、コントローラーが一体化したケースがあり、ドッキングステーションを使用すればテレビに接続することもできた。本体を手で持って遊ぶことも、ソファーに座ってテレビに表示されるゲームを楽しむことも可能だったが、本体が大きく、奇妙な製品でもあった。NVIDIAの「SHIELD」タブレットは、このアイデアをさらに追求したものだ。スマートフォンやタブレットをモニターに接続したり、テレビ画面で表示したりするアイデアは、そうした動きを先取りしていた。
したがって、Nintendo Switchのコンセプトは、全く新しいものというわけではなかった。しかし、任天堂はそのアイデアを魅力的な一般向けゲーム機に昇華させた。Switchは、本体側面にドッキングできる独創的な小型コントローラー(Wiiリモコンを小型化したような感じ)を備えたゲーミングタブレットだった。任天堂がWiiの後継機「Wii U」(Wiiほどの成功は収められなかった)で試みたもの、つまり単独でも遊べるゲームパッドの延長線上にあるものだった。Wii Uの場合、タブレットコントローラーは大きく、持ち運びできなかった。Wii Uは将来に期待を抱かせるものではあったが、ひいき目に見ても、より良いものを追求する過程にある奇妙な製品にすぎなかった。
とはいえ、筆者は当初、Nintendo Switchについて、子供受けするデバイスではないと思っていた。
2017年1月のデモセッションでSwitchを見たときも、3月3日の発売前にもう一度見たときも、実に多用途のデバイスだが、大型で少し壊れやすそうに感じた。より頑丈な感じがするニンテンドーDSや「ニンテンドー3DS」と比べると、子供たちはSwitchの扱い方が分からないのではないかと思った。なんと愚かな考えだったことか。DSは奇妙なアイデアだったが、皆に受け入れられた。ふたを開けてみると、Switchもまったく同じだった。
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