性能では勝っているにもかかわらず、外部のデザインに関して言えば、ほかのテクノロジー製品は、Nintendo Switchが5年前に成し遂げたことにまだ追いついていないように感じる。SwitchがiPadほど簡単にオンラインでさまざまなことを実行できないのは今でも不思議に思えることがあるが(先週、9歳の息子の友達からそう言われた)、逆に、Switchのような組み立てやすいモジュール式のデザインは、iPadにはないものだ。何年も前に言ったように、Switchはゲーム用のKindleだ。その考えは変わっていない。読書はどこでもできるが、それでも筆者はKindleを使うことを楽しんでいる。Switchについても、同じように感じている。
Nintendo Switchが発売されてから最初の5年間で、任天堂は確かに奇妙なこといくつかをやった。「Nintendo Labo」は風変わりな段ボール製の工作キットで、Switchをさまざまな遊びが楽しめるマシンに変えた。「リングフィット アドベンチャー」はエクササイズ用フープのようなもので、Switchのコントローラーを使って心拍数を測定したりする。任天堂初のまったく新しいマルチプレーヤーゲーム「1-2 Switch」では、ホットドッグの早食い競争をシミュレートするのに、「Joy-Con」コントローラーの1つに組み込まれたSwitchの赤外線カメラが使用された。Switchが割安なVRヘッドセットに姿を変えたこともあった。
このような奇妙な製品が途中で発売されはしたものの、結局、手頃な価格のポータブルな専用ゲーム機として最も成功したのはNintendo Switchだった。筆者は、移植されたPCゲームをプレイするのにSwitchを使用している。テレビの前に座って辛抱強くプレイする気にはならないゲームもSwitchで楽しんでいる。
今でも、ほかの企業はまだ追いつけていないように感じる。最近発売されたValveの「Steam Deck」は、「Steam」のゲームをプレイするための携帯ゲーム機として設計されており、Switchの素晴らしさを思い出させると同時に、任天堂がハードウェアを進化させ続ける必要があることも浮き彫りにした。QualcommとRazerが共同開発した携帯ゲーム機のデザインは、スマートフォン向けチップをベースとしており、モバイルゲームへのより良いアプローチを模索しているが、これもSwitchの携帯ゲーム機としての成功を受けてのものだ。どうやらモジュール式の製品を作るのは、簡単ではないようだ。MotorolaやGoogleは失敗し、Apple独自の「Smart Connector」アクセサリーにも成功の兆しは見られない。Microsoftが「Surface」で目指したマルチフォームタブレットの夢は、しぼんできたようである。
その一方で、成功を収めたシンプルなNintendo Switchは生き続けている。任天堂よ、お願いだから変わらないでほしい。しかし、現状に満足しすぎることも避けてほしい。Switchはより高度な形式に進化すべきときが来たのではないだろうか。ゲーム業界の競合他社の変化を考えると、Switchはまさにその難題に挑む立場にいるように思える。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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