Car Thingにはそれほど魅力を感じないが、運転に集中しながらメディアを操作する方法を探しているという人には、ほかにもいくつかの選択肢がある。
ディスプレイを搭載しないAmazonの「Echo Auto」のような製品は、「Alexa」のスキルによって音声支援を強化し、ニュースや複数の音楽およびラジオストリーミングサービスを再生する機能などを提供する。予算に余裕がある場合は、カーステレオを、Android AutoやAppleのCarPlayに対応したレシーバーにアップグレードするという選択肢もある。古い車のレシーバーを交換するのは簡単だが、皮肉なことに、ステレオと緊密に統合された新しい車だと容易には交換できない場合もある。
BluetoothまたはAUX入力端子をすでに利用可能な車の場合、Car Thingに取って代わる一番の選択肢は、今所有しているスマートフォンだ。「Android」版のSpotifyアプリには、「運転中モード」という機能がすでに標準搭載されているが、このモードにすると運転中に使いやすいようにインターフェースがシンプルになり、操作ボタンも巨大化される。また、「Hey Spotify」音声コマンドも標準でサポートされている。20ドル(約2300円)程度で購入できるスマートフォンホルダーをダッシュボードやフロントガラスに取り付ければ、Car Thingのほとんどの機能を再現可能だ。
GoogleのOSと音声アシスタントの最新バージョンを搭載するAndroidスマートフォンでは、「Hey Google、今運転中」と言うだけで、「Googleアシスタント」の「運転モード」を起動することも可能だ。運転モードでは、Android Auto使用時と同じように「Googleマップ」を表示する機能やメッセージのやりとり、ハンズフリー通話、Spotifyなどのオーディオストリーミングアプリとの緊密な統合機能(ブラウジングや音声コマンドに対応)を利用できる。少しバグがあることは確かだが、無料で利用可能だ。
SpotifyはCar Thingをさらに進化させるつもりだ。米国での一般販売開始に加えて、同社のデザイナーとエンジニアが今後のアップデートにも取り組んでおり、Spotifyエコシステム以外のオーディオストリーミングアプリも制御できる機能を追加する予定だ。単純な再生、一時停止、スキップ以上の操作を期待してはいけない。Spotifyのアプリのような深い統合が実現することはないはずだが、何もアップデートがないよりはましだと思う。
それでも、Car Thingは少し苦戦を強いられそうだ。半導体チップの不足が続いているため、2021年の発表時から価格が10ドル引き上げられた。これにより、現時点では、有料サブスクリプションサービスの利用が必須のガジェットであるにもかかわらず、価格が90ドルになった。アップデートがリリースされれば(あるいは、無料プランのユーザーも利用できるようになれば)、お薦めしやすくなるかもしれないが、Car Thingは、より高度な機能を持つ製品とより手頃な価格の製品の間という微妙な位置にある。いずれの製品も、Car Thingよりユーザーのニーズに適している可能性が高い。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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