取り付けて電源を入れると、Car ThingはBluetooth経由でスマートフォンに接続して、Spotifyアプリと無線通信を行い、アルバムやアーティスト、プレイリストの情報を4インチのカラータッチスクリーンに表示する。タッチ入力の精度は非常に高いというわけではないが、ディスプレイは明るく、筆者のマツダ「ROAD STAR」で真っ昼間にルーフを開けた状態でも、非常に見やすい。さらに、夜間には、環境光センサーでディスプレイの輝度を下げてくれる。これはうれしい機能だ。
Car Thingでは、お気に入りの曲をタップやスワイプで操作できるだけでなく、やや大きめのジョグホイールを回して画面をスクロールし、タップして選択したり、小さな戻るボタンを使ったりすることも可能だ。さらに、ディスプレイの上側面に5つのボタンが配置されている。そのうち4つはカスタマイズ可能で、お気に入りのアーティストやアルバム、プレイリストへのショートカットとして使用できる。5つ目のボタンを押すと設定メニューが表示される。
物理的なタッチ操作とバーチャルなタッチ操作に加えて、音声でCar Thingを操作することも可能だ。「Hey Spotify」と言った後、「Duran Duranを再生して」「MC Hammerの『Addams Groove』を聴く」「次の曲」といった音声コマンドを伝えるだけで、ハンドルから手を離さずに曲をキューに追加できる。米CNETの同僚であるLexy Savvides記者がテストしたところ(興味がある人は、記事最後の動画を参照してほしい)、精度はまちまちだったようだが(注:Savvides記者はオーストラリア人であり、2021年に限定リリースされたバージョンを使用していた)、筆者のCar Thingは、車の窓が閉まっている限り、音声コマンドを正確に理解してくれた。
Car Thingは、オーディオストリーミングへの接続機能を車に追加するものではなく、単なるリモコンである。そのため、ユーザーはBluetoothまたはAUX入力端子経由でスマートフォンをカーステレオに直接接続する必要がある。それらの接続機能を備えない車の場合、Car Thingを取り付けても、車内でSpotifyの曲を聴くことはできない。古い車の多くでは、このことがCar Thingの購入を見送る要因になるかもしれない。
また、「Android Auto」やAppleの「CarPlay」といった規格をすでにサポートしている車の場合、Car Thingを導入する必要はない。これらの大型タッチスクリーンテクノロジーには、はるかに強力な統合機能があり、幅広いオーディオストリーミングサービスやアプリタイプ(駐車アプリやメッセージングアプリなど)、ナビゲーションを利用できるからだ。
Car Thingは現在のところ、Spotifyだけをサポートしており、Premiumのサブスクリプションが必要だ。現在は月額10ドル(約1200円)となっている。そのため、Spotifyを使うのをやめたり、解約したりしたら、Car Thingの利便性は大幅に制限される。
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