「ラブライブ!」シリーズ合同カウントダウンライブで見た“さらなる躍進を感じさせるステージ” - (page 3)

 ここで特別企画として、3校合同のラジオ番組「RADIO with a smile!」が放送。降幡さん、田中さん、Liyuuさんがパーソナリティとしてトークが進行。さまざまな話題でトークが進んでいくなかで曲紹介が行われ、「ラブライブ!シリーズのオールナイトニッポンGOLD」タイアップ企画スプリットシングルとして、3校それぞれがラジオをテーマとしてリリースした楽曲を、ライブで初披露していくことに。

 まずはLiella!の「Shooting Voice!!」から。5人がアカペラかつハーモニーを奏でるところから始まり、離れていても想いを声に乗せて届けるというラジオの魅力を伝えるように歌う。ニジガクの「ミラクル STAY TUNE!」では、間奏にメンバーの雑談風な寸劇も織り交ぜられるような、聴いているだけで楽しく元気になれるようなバラエティさと賑やかさを出していた。Aqoursの「not ALONE not HITORI」では、“ひとりじゃない”ことを伝えるように、そして聴いている人に寄り添い語りかけるように歌い、最後には9人が手を繋いで締めくくった。

 まもなく年越しといったタイミングで、ステージ上には改めて全員が登場。2021年を振り返るなかで、Liella!は伊達さんからCDデビューやTVアニメの放送、1stライブツアーと駆け抜け、“幸せがぎゅっと詰まった1年”と表現していた。

 ニジガクは大西さんからTVアニメを始め、曲を交換して歌った校内シャッフルフェスティバル初のドームライブ、ユニットライブなどがあったことを振り返り、充実した1年と振り返る。またミアと嵐珠(内田さんと法元さん)の加入もあり、2人にも同じような思いを味わってもらいつつ、みんなで夢をかなえていきたいと語った。

 Aqoursは伊波さんから、2021年は悔しい思いをたくさんしたなかでも、ワンマンライブを含めた年末の3日間で、Aqoursをはじめラブライブ!を愛するファンの思いを感じられたこと、そして力強いAqoursを見せられたとし、感謝の言葉を送っていた。

 話に花が咲くなかでカウントダウンが始まり、年越しのタイミングでは指でラブライブ!を示す「L」のポーズを決めて、新年を迎えた。それぞれが新年の挨拶を行うなかで、1月1日は黒沢ダイヤの誕生日ということで、あわせてお祝いを行った。

 ラブライブ!シリーズにおける2022年の歌い始めで、カウントダウンライブの最後を飾る楽曲は、このライブのテーマソングとして制作された「LIVE with a smile!」。26人がソロパートを歌い繋ぐなかで、終盤ではステージ中央に各校のセンターを務める伊波さん、大西さん、伊達さんの3人が集い、振り返るとスクリーンには「Love Live!」の文字。そんなグッとくる演出もありつつ、26人が声をそろえて歌い、カウントダウンライブを締めくくった。終了後もスクリーンには特別企画としてキャスト年賀状が映し出されたほか、配信限定でライブ終了直後のキャストから、改めて新年の挨拶とメッセージも送られていた(※配信のアーカイブはすでに終了している)。

 結成1年程度ながらも堂々たるパフォーマンスを見せたLiella!、個々にベストを尽くしバラエティに富んだ魅力を放つニジガク、結成6年を超え円熟味すら感じるほど完成度が高く、パワフルなステージで魅了するAqoursと、2021年の集大成ともいえる場で、それぞれが特徴や持ち味となるものを存分に発揮したと思えるライブとなっていた。すでに2022年に向けて各グループが大型ライブ開催の告知も行われているが、その先の未来も含めて、さらなる躍進を感じさせるステージとなっていた。

 また余談ではあるが、見た人がそれぞれ見どころとなる場所があると思われる今回のライブのなかでも、筆者個人としても印象的だった場面がある。Aqoursのお気に入りにのメンバーが国木田花丸であることを踏まえて見れば、休養のため一時活動を休止していた高槻さんが、Aqoursのワンマンライブに続いてこの公演でも出演しパフォーマンスを行っていたことそのものが心に残るところ。また、Liella!の1stライブツアー群馬公演で、初めてのフルライブとは思えない5人のパフォーマンス力や、魅力的に感じた伊達さんの歌声が、ツアーの経験を経てさらに高まっていると感じられるのも印象に残るところだった。

 そしてニジガクのお気に入りのメンバーがエマ・ヴェルデであることを踏まえると、触れておきたいのはソロ曲のメドレーで「哀温ノ詩」を披露したところだ。

 ここでは、本来楽曲にはない特別なイントロが流れるなか、エマのイメージカラーであるライトグリーンのライトが薄く照らされるなかで、“和”をイメージさせるようなエマが着ている赤を基調とした着物姿や特徴的な髪型で、指出さんがゆっくりと登場。曲の世界観や雰囲気を動きで作りながらステージ中央に立ち、バックに映し出されたライブMVのエマとともにパフォーマンスを行った。

 TVアニメのなかに、第5話でエマと果林にスポットが当てられた回もあり、久保田さんによる「Fire Bird」のあとに歌われたのは“エモさ”を感じるところ。またこの曲は、スクスタにおいてエマがスクールアイドルに憧れるきっかけとなった曲であり、スクールアイドルの思いを受け継いだ曲として描かれている。歌い繋ぐメドレーにピッタリとか、ニジガクメンバーの思いをこのあと初ソロ歌唱を控える内田さんと法元さんへのエールとして繋げていく……というには筆者の妄想が過ぎるところもあるのだが、そう思いたくなる選曲や順番と感じたところ。

 ライトグリーンのコンサートライトで場内が染まるなか、華麗に扇子を扱いながら歌う姿が目を引くところ。そして癒し系スクールアイドルであるエマの優しさと、そのなかに秘めた決意を示すように、指出さんが伸びやかに歌声を響かせていた。この曲自体はすでに2ndライブQU4RTZのユニットライブでも披露されているが、より思いを込めていることが心に伝わってくるような歌声で、ショートバージョンながらもそれを証明するような大きな拍手に包まれている光景が感慨深かった場面だった。

(C)2017 プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!
(C)2020 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
(C)2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!

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