米政府が仮想通貨に対する監視を強化し続ける中、米司法省は仮想通貨を利用した犯罪の取り締まりを専門とする新たな部門を設置した。同省のLisa O. Monaco副長官が米国時間10月6日に発表したNational Cryptocurrency Enforcement Team(NCET:国家仮想通貨執行チーム)は、「仮想通貨の犯罪利用、特に仮想通貨取引所、ミキシングおよびタンブリングサービス、マネーロンダリングのインフラ主体による犯罪」を捜査して起訴するという。
NCETは、司法省刑事局のマネーロンダリング・資産回収課(MLARS)や、コンピューター犯罪・知的財産課(CCIPS)など、局内の各担当部門の専門知識を活用する。
「テクノロジーが進歩する中、司法省もそれに合わせて進化しなければならない。そうすることで、これらのプラットフォームにおける不正行為を一掃し、これらのシステムに対するユーザーの信頼を確保する態勢が整う」(Monaco氏)
発表では、政府が特に関心を持っている仮想通貨関連の犯罪行為について詳しく説明している。そうした犯罪行為として、ランサムウェアの身代金回収、マネーロンダリング、違法なマネーサービスに加えて、違法薬物や兵器、ハッキングツールを売買する「ダークマーケット」における仮想通貨の使用などが挙げられている。
NCETの設置の前には、米財務省も、「ランサムウェア攻撃者らの金融取引を助長」したとして、ロシア人が運営する仮想通貨取引業者SUEX OTCに制裁を課している。
MLARSは2018年、サイバー犯罪の調査を目的に「Digital Currency Initiative」を立ち上げた。その目的は、違法な仮想通貨関連の活動を取り締まるため、司法省の知識と能力を拡大することだ。NCETはこの取り組みを基盤としている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」