Facebookの元従業員Frances Haugen氏がリークした社内文書に基づく、複数の主要メディアによる新たな報道で、Facebookに対する批判が週末に一層高まった。
The New York Times(NYT)とThe Wall Street Journal(WSJ)は米国時間10月23日、インドにおけるFacebookのサービス上の誤情報やヘイトスピーチに関する記事を公開した。The Washington Post(WP)は、死者も出た1月6日の米議事堂襲撃事件を扇動することにつながった誤情報の拡散にFacebookのサイトが担った役割などに関して、従業員が抱く懸念について報じた。
BloombergとNBC Newsも22日、米国におけるFacebookでの誤情報の拡散にフォーカスした記事を出している。WSJとNYTも同日、同様に報じていた。
NYTは、Facebookとインドに関する記事の中で、Facebookの研究者が2019年2月、インドのケララで新しいユーザーアカウントを開設して住人としてFacebookを体験し、ユーザーがどのような情報を目にするかを調査したと報じている。研究者は、Facebookのアルゴリズムで生成されたおすすめ情報に従って、Facebookで動画を視聴し、新しいページをチェックし、グループに参加した。NYTによると、Facebookが同月中に公開した社内レポートには、「テストユーザーのニュースフィードは、偏った国家主義的なコンテンツ、偽情報、暴力、流血事件でほぼ常にあふれかえる状態になった」と書かれていたという。
Facebookの研究者が米国で2019年に実施した類似のプロジェクトでも、同様の結果が得られている。この研究者は、ノースカロライナ州在住の「政治的に保守的な母親」という架空の人物「Carol Smith」のテストアカウントを作成した。Facebookは2日のうちに、陰謀論を展開するQAnon専用のグループに参加するように提案してきたとNBC Newsは報じた。また、NBCによると、この実験は「Carol's Journey to QAnon」というFacebookの社内レポートの中で概説されている。NYT、WSJ、WPの記事もこの文書に言及している。
NBC Newsは、「研究グループは常に、Facebookが一部のユーザーを『ウサギの巣穴』のような非日常に入り込ませることを発見していた。巣穴は入り込むほど狭くなり、暴力的な陰謀論が増幅するエコー室だ」としている。「そうした巣穴の中で急進的になる人々は、全ユーザーに占める割合は小さいが、Facebookの規模では数百万人にのぼる可能性がある」(NBC News)
相次ぐ新たな報道は、Haugen氏がリークした文書に基づいている。これまでFacebookは、社内文書が誤った形で伝えられ、同社の「誤ったイメージ」が描かれていると反論してきた。最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏は10月に入り、「皆さんの多くが、最近の報道は読むに堪えないと感じているに違いないと思う。われわれが知っている企業を反映した内容ではないからだ。われわれは安全性、幸福感、心の健康などの問題に深く配慮している」などと述べていた。
Facebookは23日、Haugen氏がリークした文書に基づく新たな報道に関する米CNETの取材に対しコメントしなかった。Facebookのインテグリティ担当バイスプレジデントGuy Rosen氏は22日、2020年の米大統領選を保護するために実施したFacebookの戦略や対策の概要をブログ記事で説明した。
Facebookの広報担当者は、NYTのインドに関する記事について、同社はヒンディー語やベンガル語を含むさまざまな言語でのヘイトスピーチを根絶するための技術に多くのリソースを投じ、2021年には世界のユーザーが目にするヘイトスピーチを半減させたと同紙に述べた。
「Carol's Journey to QAnon」に関する報道について、別の広報担当者はNBC Newsに対し、この文書は、有害なコンテンツに関する問題を解決するための同社の取り組みを示していると伝えた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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