気候危機が文化や政治をめぐる私たちの議論の中で存在感を増し、世界でも最大級の企業はいずれも、この問題への対策を強化し、具体的な行動で示す必要に迫られている。その中でGoogleが米国時間10月6日、環境に与える影響を削減したいユーザーを支援する「Google検索」および「Googleマップ」のアップデートを発表した。
10月中に導入される主要な機能の1つが、気候変動について検索した場合に結果画面に表示される、この問題に関する専用ページだ。Facebookが2020年に導入した「気候学情報センター」と同様に、この専用ページでは国連など質の高い情報源から得られた、気候変動に関する掘り下げた情報が提供される。具体的には、アクション、原因、影響、定義などの情報だ。
一方、ただちに導入された新機能として、旅行に関するGoogle検索では、環境に関する認証の取得の有無など、ホテルの持続可能性に関する意義ある取り組みについての情報が表示される。また、フライト検索では、それぞれの航空便に関連する二酸化炭素排出量を、検索結果に直接表示する。これには座席のグレードによる違いも含まれる(実はエコノミーのほうが、シートの専有面積が小さいため、ビジネスやファーストよりも環境に優しい)。またこの排出量が標準より多いかのか少ないかが分かる。
さらに、米国で6日からショッピング検索に追加される新機能では、暖房器具、食器洗い機、温水器、調理用コンロ、乾燥機など、大量のエネルギーを消費する電化製品を検索したユーザーに、コスト効率や持続可能性の高い選択肢を提案する。これらの製品を手がけるメーカーにとっては、自社の製品の持続可能性をアピールし、購入を検討している消費者からの注目を集めようとする動機付けとなる。
さらに2022年初めには、やはり米国で、車の購入を考えている人が電気自動車やハイブリッド車を識別しやすくするためのタグを導入する。また、ユーザーが特定のモデルの電気自動車を検索すると、そのモデルに対応した近隣の充電ステーションや平均的な充電時間が表示される仕組みも新たに取り入れられる。
まだガソリン車やディーゼル車に乗っている人も、置いてきぼりにされることはない。米国のGoogleマップに導入されたアップデート(欧州では2022年に開始予定)により、人工知能(AI)を駆使して最も燃費のいいルートを推奨するオプションがデフォルトで利用できるようになる。
Googleでは、米エネルギー省の国立再生可能エネルギー研究所の知見に基づいて開発されたこの機能について、二酸化炭素排出量を年間100万トン削減できる可能性があると計算している。これは、道路を走る自動車を20万台以上削減するのに相当する量だ。
二輪車についても、即時導入の機能として、300以上の都市で自転車や電動スクーターのシェアサービスに関する情報が示されるようになる。また、自転車ユーザー向けのナビ機能「lite navigation」も数カ月以内に導入される予定だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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