Amazonと元従業員2人との労働争議が決着した。2人は同社倉庫の労働環境を公に批判し、気候変動に対処するよう会社に働きかけた後、解雇されていた。
AmazonのユーザーエクスペリエンスデザイナーだったEmily Cunningham氏とMaren Costa氏は、新型コロナウイルスのパンデミック時の倉庫の状況を公に批判した後、2020年4月に解雇された。両氏はともに、気候変動への取り組み強化をAmazonに求める従業員グループ「Amazon Employees for Climate Justice」の活動的なメンバーであり、倉庫で働く従業員の保護が不十分だと訴えて、倉庫従業員に対する寄付を募り、500ドル(約5万5000円)を上限に集まった寄付金と同額を自らも寄付するとしていた。
Amazonは、Cunningham氏とCosta氏が「社内ポリシーに繰り返し違反した」ことで解雇されたと述べていた。しかし、2021年4月の報道によると、全米労働関係委員会(NLRB)は両氏が違法に解雇されたと判断し、Amazonが和解しなければ不当な労働慣行で同社を告発すると両氏に説明したという。
The Washington Postは、米国時間9月30日の話し合いで双方の弁護士が和解を発表したと報じた。
Cunningham氏とCosta氏は共同声明の中で、Amazonは両氏に未払いの賃金を支払うこと、また組織化と権利行使を理由に従業員を解雇することはできないと通知することを求められると述べた。
「これは労働者の権利を保護するための勝利であり、私たちがお互いのために、正義のために、そして私たちの世界のために立ち上がることが正しかったことを証明するものだ。Amazonは私たちに未払いの賃金を支払い、組織化や権利行使をした労働者を解雇することはできないという通知を全国のすべての技術労働者と倉庫労働者に通知することを求められる」(両氏)
Amazonの広報担当者は、「本件の法的問題を解決する合意に達した」ことを認め、「この問題の解決を歓迎する」とした。
解雇を受けて、現在の米副大統領であるKamala Harris氏を含む9人の上院議員が2020年5月、Amazonの最高経営責任者(CEO)であるJeff Bezos氏に公開書簡を送り、解雇に関する同社のポリシーと、解雇は報復ではないかとの懸念について説明を求めていた。
NLRBにコメントを求めたが、現時点では回答がない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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