シャープは8月4日、名古屋大学 未来社会創造機構および、ポットスチルと、同社のモバイル型ロボット「RoBoHoN(ロボホン)」を活用した運転行動改善の実証実験を8月30日より開始すると発表した。
なお、同実証実験は、名古屋大学COI(Center of Innovation Program)「人がつながる “移動”イノベーション拠点」の一部として実施されるものとなる。
昨今、高齢ドライバによる交通事故が社会問題化し、安全運転を支援するシステム整備が喫緊の課題になっている。
名古屋大学 未来社会創造機構では、スマートフォン、ロボット、クラウドが連動し、日常運転のパートナーとして、安全な運転への改善をサポートするシステム「ドライバエージェントシステム」による運転支援の研究を進めている。
本人の想定よりも心身機能が低下していることや、危険な運転行動への自己認識を促すこと、運転行動を客観的に評価し結果をフィードバックすること、同乗者の存在により事故率が低下する同乗者効果を利用することなどの事故低減への効果を実証してきた。
同実証実験では、これまでの実証で得られた知見をベースに、名古屋大学 未来社会創造機構が実験計画を策定。同社が、RoBoHoNをドライバエージェントシステムとして活用するためのアプリケーションを開発・配信し、ポットスチルが収集したデータを分析するという。
なお、同実証実験は、公募により選出した50名のRoBoHoNオーナーに対し、普段の運転時に使用してもらい、全国の公道で実施する。
RoBoHoNを通じて、注意喚起や運転行動への示唆などの「運転中の支援」に加え、運転後の運転評価などの「振り返り支援」を行うことで、運転者に危険な運転への気付きを与え、安全運転を促し、運転者の行動変容効果を検証する。
また、友人や配偶者よりも擬人化HMI(ヒューマンマシンインタフェース)からの指摘の方が受容されやすいことから、RoBoHoNを介すことでドライバエージェントシステムによる運転評価やアドバイスの受容性が高まることを確認する。
さらに、RoBoHoNが同乗することで、音声ナビ機能などでは得られない同乗者効果のほか、オーナー間の関係性の強化なども期待しているという。
3者は、同実証実験で得られた知見を生かし、より安全な運転を促す「運転支援ソリューション」の開発と実用化に取り組み、社会課題の解決に貢献していくとしている。
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