産業用ドローンは目新しいものではない。だが、その成長曲線と採用ペースには目覚ましいものがある。産業用ドローンプログラムの採用は、2023年までに66.8%の年平均成長率で増えると予測されている。
産業用ドローンは、保険、鉱業、建築資材といった広範な業界で利用されており、そこに人工知能(AI)、機械学習(ML)、ディープデータ分析などの最新技術が投じられている。その結果、作業者がデータの収集と分析に費やす時間が大幅に減少するとともに、精度も上がり、最終的な収支にプラスの影響が生まれつつある。これらすべての相乗効果は、産業労働に影響を与え、こうした産業の業務そのものを日々世界的に変え、成長を続けている、ある1つの分野につながっている。それが、スマートインスペクションだ。
航空インテリジェンス企業Kespryの最高経営責任者(CEO)であり、ドローン業界を知り尽くしているKrishnan Hariharan氏は、ドローン産業にはまだ大きな伸びしろがあると考えている。Kespryは、スマートインスペクションのパイオニアであり、これまで手作業で行われていた検査に、AIや機械学習、データビジュアライゼーションを利用している。
そのHariharan氏にインタビューする機会があったので、検査ドローン市場の成長について話をうかがった。さまざまな業種の企業が、拡大し続ける自動化テクノロジーのポートフォリオにドローンを加えるべき理由も聞くことができた。
--検査にドローンを使うことで、私たちにどんな利点がありますか。また、最終的な収支にどんな効果がありますか。
自律型ドローンによる検査の利点はいろいろあります。とりわけ、手作業の検査が不要になることを考えると、そうです。1つ目の利点は、作業者の安全性です。正確に測定するために、人が資材の山や屋根にのぼる必要はありません。「iPad」をタップして飛行経路を指定するだけで、ドローンに仕事をさせられるので、作業者を危険から遠ざけておくことができます。
一例として、Edw. C. Levyという建築設備会社は、Kespryを使って敷地調査を実施しています。Kespryのようなドローン技術がなければ、同じような建築設備会社の多くは、第三者の企業と契約して敷地調査を実施するしかありません。その場合、多大なリスクを伴う可能性があります。よく知らない関係者が、不慣れな場所で車両を扱うことになるからです。敷地内で迷ってしまったり、車両が故障したり、あるいはこちらの人員の支援が必要になるかもしれません。そうなれば、時間とコストが生じる原因になります。Kespryなら、そうした未知の要素を排除してリスクを大幅に低減し、人を危険な目に遭わせずに済みます。
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