「スマートインスペクション」に見るドローンの威力--ドローンは企業の救世主か - (page 2)

Greg Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2021年08月03日 07時30分

 また、時間とコストを削減できるので、スマートインスペクションは企業の収支にもプラスにはたらきます。以前なら何時間も何日もかかっていたことが、数分で済むからです。ドローンが集めてきた画像とデータは「Kespry Cloud」に送られ、チームメンバーなら誰でもすぐその情報にアクセスできるようになるので、データ処理がそれだけ高速に、正確になります。例えば、米国でも有数のある保険会社は、保険金請求で、屋根の検査があったときにKespryを使っています。従業員が屋根にのぼって手作業で測定し、データを整理して分析する代わりに、Kespryのドローンがそのすべてをこなします。保険会社State Farmも、今では飛行経路に沿ってドローンを操縦するだけになりました。ドローンが画像や測定データを集め、その情報を直接Kespry Cloudに送るので、それを誰でも、どこでも分析できます。その結果、State Farmは時間を、ひいては費用を削減しているうえに、保険金請求の処理が以前より短時間で済むようになりました。

 利点はまだあります。測定が手作業で行われなくなったので、エラーが生じる余地も少なくなりました。スマートインスペクションの精度は、ほぼ完璧に近づきつつあります。スマートインスペクションにより、企業はデータ収集のような些事に煩わされることがなくなり、生産効率の最大化、労働生産性の最適化、ダウンタイムやエラーの削減といったことに集中できるようになります。現場でのデータ収集から詳細な分析までを一元的に統合した、セキュアなデータプラットフォームを使用して、それを実現します。

--スマートインスペクションは、ドローンとAIの重要な応用分野になりつつあります。スマートインスペクションのサービスについて、市場の現状はどうなっていますか。

 企業では今でも、手作業による資産の検査を行っています。建築や屋根ふきの業界での屋根の検査、鉱業や建築資材骨材業における資材の調査、建設業での地ならしなど、該当する業種は多岐にわたります。幸い、人力より優れた、はるかに効率的な方法があります。それがスマートインスペクションです。ドローン技術、クラウドベースの分析、高解像度の画像処理を利用して、鉱業や建築資材業、保険や産業などの業界は、完全にタッチレスの調査と検査を、半分の時間で実施できるようになりました。しかも、従業員の安全性を確保でき、企業は各業界の標準準拠を維持できます。スマートインスペクションを使用する顧客にとっての最終的な価値提案は、収益が増え、運用および保守のコストが下がることです。

 これほど急速に採用が進んでおり、時間とコストを大きく削減できるうえに労働者の安全性も改善できるのですから、スマートインスペクションは遠からずどこでも利用できるようになっていくでしょう。手をこまねいて採用が後れれば、競合他社に水をあけられることにもなりかねません。

 Kespryのソリューションは、高解像度の画像処理と、実空間の現状を反映する座標を活用して、空撮データ収集の技術からビジネスインサイトを引き出します。複数の業種でこうした需要に応えられるのは、拡張可能なプラットフォームであり、何年もかけて改善に投資を続けてきたKespryだけだと自負しています。

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