「スマートインスペクション」に見るドローンの威力--ドローンは企業の救世主か - (page 3)

--スマートインスペクション用のドローンは、業種を問わず汎用なのでしょうか、それとも、例えば配管検査から作物調査のように業種をまたがる場合にはカスタマイズが必要なのでしょうか。

　まず、大量のデータを効率的に収集するうえで、ドローンは極めて強力なツールです。それにより、企業はその情報を処理して分析することができるのです。次に、ドローンに使われるセンサーは進化が続いているので、ドローン1台で収集したデータだけでも、業種を越えたさまざまな目的に使用できます。とはいえ、業種が違えばワークフローが違うのは当然で、データの使い方も処理方法も、業界によって少しずつ異なるものです。そのため、ドローンが正確に飛行し、指定したエリアについて適切な情報を集められるのであれば、堅牢なソフトウェアプラットフォーム（AIとデータ分析を含めた）には、残りの処理をできるスマートさが必要になります。ソフトウェアには、各業界に適応して正しいデータを収集し、画像を正しく処理できるだけの柔軟性が必要になります。

　Kespryが特化しており、かつ成功の秘訣となっているのは、ビジネスワークフローを効率的に自動化できる点、しかもその効率と拡張性が業界を越えても一貫している点です。データの分析および処理方法の理由から、業種によってはある程度のカスタマイズが必要です。例えば、石油調査に必要な資産分類は、地図制作、鉱業、屋根ふきなどの場合の資産および在庫管理とは若干異なります。ただし、複数の業種にわたる多数の導入例を有効活用するという道もあります。例えば、欠陥および異常の検査を実施する場合、ひび割れ、湛水、錆などに対するKespryのAI/MLモデルを同じように転用して再利用するのも容易です。

--Kespryは業界にどのような革新をもたらしており、今後はどうなっていくのでしょうか。

　Kespryは、常に新興技術の最先端に立って、顧客へのサービスを改善し続けています。AI、ML、データ分析が進歩したおかげで、集めたデータは、ものの数分で顧客に送れるようになり、エンドユーザーの側でもいち早く行動を起こせます。長年にわたってこの業界をリードしてきたKespryは、進化するテクノロジーから重要なことを学び、そのプラットフォームを改善し続けています。プラットフォームは、ソフトウェア、AIモデル、分析などから成り、保険や屋根ふき、鉱業、建築資材業、産業分野などどんな環境にも適応することを目指しています。現在は、より多くのお客様に当社のテクノロジーをお使いいただくため、どんなドローンモデルにも対応できるように互換性拡大に取り組んでいます。また、高解像度の画像を一瞬でお届けできるように、エッジデバイスを利用して画像処理を迅速化する方法も模索しています。最後になりますが、産業分野でのスマートインスペクション提供に向けて、サービスを拡大することにも取り組んでいます。