ソニー「Xperia 1 III」レビュー--名機になれたかもしれない高機能スマートフォン - (page 3)

Patrick Holland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2021年07月14日 07時30分

映画製作の意欲をくすぐるCinematography Proアプリ

 マニュアルコントロールを駆使したり、もっと映画らしい手法で動画を撮ったりするのが好きならば、Cinematography Proアプリはお勧めだ。「Xperia 5 II」と同じく、Cinematography Proアプリではメインカメラを使って4K 120fpsの動画を撮影でき、それを30fpsの動画ファイルとして保存できるようになった。Cinematography Proアプリで撮影したスローモーション映像は圧倒的だ。実際、これまでのXperiaシリーズと同様に、Cinematography Proアプリでは見事な動画を残すことができる。筆者がCinematography Proで撮った次の動画をご覧いただきたい。動画の編集とカラー処理は、米CNETの動画プロデューサー、Oliver Padillaが担当した。


 Cinematography Proアプリにも、一定の制約はある。低照度の動画はぱっとしない。アプリが最大でもISO 800で撮影するように設計されているためだ。また、晴れた日の屋外で撮影するときには、ISOが下限でも足りなくなるので、釣り合いを取るためにシャッター角度を呆れるくらい狭く設定しなければならない。Xperia 1 IIIでCinematography Proアプリを使って屋外撮影をするつもりなら、適当なNDフィルターを探した方がいいだろう。

パフォーマンスは高いがバッテリーの持続時間は不安

 Xperia 1 IIIは、ソニーの「標準の」スマートフォンとして初めて、米国内で5Gに対応するモデルだ。2499.99ドル(約27万5000円)のXperia PROでは、米国内でSub-6とミリ波の5Gがサポートされていた。Xperia 1 IIIは、ミッドバンドとローバンドの5Gに対応する。筆者は、サウスカロライナ州グリーンビルで、T-Mobileの5Gネットワークに接続してみた。インジケーターには5G接続のアイコンが表示されたが、実際にはほとんどの時間がLTE接続だった。もっとも、これは筆者が他の5GスマートフォンでT-Mobileの5Gを試した時にも起きている。データ速度は安定しなかったが、通話音質はクリアだった。

 Xperia 1 IIIは、「Snapdragon 888」プロセッサーと12GBのRAMを搭載する。つまり、動画を撮影するにもゲームをプレイするにも、パフォーマンスは十分ということだ。試用中に問題があったのは、33℃ある屋外で写真と動画を撮影したときだった。使い始めて30分のうちに、温度の警告が表示されたのだ。

 ベンチマークテストでは、Xperia 1 IIIはSnapdragon 888を搭載するAndroidスマートフォンでは上位に入ったが、ASUSの「ROG Phone 5」のようなゲーミングスマートフォンには及ばなかった。ベンチマークテストの結果は以下のとおり。

ベンチマークテスト

 問題はバッテリーだ。ドラマ「フレンズ」の再結集エピソードよりも残念だった。ほどほどの使い方なら、ほぼ1日持ったが、ゲームをプレイしたり、写真をたくさん撮ったりした日は、夕食時までに充電が必要になった。

 機内モードで動画を連続再生する米CNETのバッテリーテストを実施したところ、画面のリフレッシュレートを60Hzに設定したときの持続時間は16時間12分だった。十分な結果だ。120Hzに切り替えて同じテストを実施すると、持続時間は10時間45分となり、お世辞にも優れているとは言えなかった。


この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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