レノボ・ジャパンは6月30日、「テレワークスタートガイド 第三版」ならびに、ポストコロナを見据えたテレワーク常態化のための「テレワークを続けるためのヒント集」と「テクノロジーが変える私たちの働き方 数年先の将来に向けた8つの予測」を無償公開した。特設サイト「まとめて簡単おさらい!始めよう!テレワークスタートガイド」から、PDF形式のファイルをダウンロードできる。
3つの小冊子は、2015年からテレワークに制限を設けない「無制限テレワーク」制度を採用した、レノボ自身の5年以上にわたる実践経験、ビジネスを通じた数多くの顧客との対話をもとに、ポストコロナにおいて、ハイブリッドワークをはじめとする柔軟な働き方の普及に貢献する目的として作成、提供されるもの。
テレワークスタートガイドは、テレワークに関するノウハウをまとめた冊子として、2019年に初版、新型コロナウイルス感染症の影響が見られるようになった2020年2月に、第二版を一般公開。第二版の発行時には公開後3日間で3万回以上ダウンロードされ、緊急対応としてのテレワークの実施にあたっての参考資料として活用されたという。今回の第三版では、コロナ禍での学びを新たに取り入れ、制度、環境、文化の3つの観点から、持続可能なテレワークの実現を目指す企業や組織にとってのハウツーとなる情報を盛り込んでいるという。
テレワークを続けるためのヒント集では、持続可能なテレワークを実現する上で重要な要素である企業文化に注目し、オンラインを前提としたチームのマネジメントや従業員のエンゲージメントなど、実際に自社で取り組んだ活動を例に紹介。1カ所に全員が集まることのない環境が常態化するなかで重要となるエンゲージメントという観点にフォーカスし、テレワークの定着という制度や環境だけでは解決することが難しい課題に対して、ヒントを提供する内容としている。
数年先の将来に向けた8つの予測では、これまでにレノボが実施した調査やテクノロジートレンド、顧客とのディスカッションをもとに、アフターコロナで大きな変化が予測される働き方についての8つの予測と、その背景について解説。項目は「ハイブリッドワークが働き方の主役となる」「サードプレイスは機能別に組み合わせて使われる」「ワーケーションはオフィス機能の一部を代替する」「オンライン会議の質に重点が置かれる」「情報共有基盤の整備がビジネス推進の鍵となる」「5Gが働き方の柔軟性を大きく向上させる」「従業員が自宅で業務用をPCゼロからセットアップできるようになる」「従業員それぞれが自ら最適なIT環境を選ぶようになる」。
配布の開始に合わせて、NECレノボ・ジャパングループ ワークスタイル・エバンジェリストの元嶋亮太氏による説明会も実施された。
企業におけるテレワークの導入率について、総務省の調査によれば、2019年と2020年の1年間で比較して、約2.4倍と急激に増加し、これまでにない変化を遂げたという。さらに導入予定も含めると約6割になるという。前述のように、レノボでは2015年から無制限テレワーク制度を導入し運用をしているが、元嶋氏はその当時からは想像もできない普及状況と語る。
国内におけるテレワークの定着については課題もあるという。レノボの調査で、在宅勤務ではオフィスと比べて生産性が下がるという回答が海外に比べて突出して多いことや、同僚との対面コミュニケーションがなくなったことがストレスや不安に感じる人も少なくないという。
レノボでは、新型コロナの流行にあわせて緊急事態宣言下において原則在宅勤務とする勤務ポリシーと、在宅勤務を基本としつつ状況に応じて出勤する、ニューノーマルの勤務ポリシーを切り替えながら、柔軟性高く対応しているという。
今回、3つの冊子を配布した理由について、まだ今後の情勢について見通しを立てにくい状況ではあるとしつつも、顧客との話をするなかで、この数カ月においてはコロナ後を見据えた働き方の本格化を肌身で感じているという。緊急対応としてのテレワークというものの一時代が終焉し、その次のあるべき働き方の姿について日本中の企業が模索している段階にあるタイミングであり、持続可能な勤務形態としてテレワークをどう位置付けていくのか、それを考えるターニングポイントにあるためとした。
元嶋氏は、今までのような同じ場所で同じように働く画一的な働き方の慣習が機能しなくなってきている状況にあり、1人1人に最適な働き方は異なるという前提に立つことが必要だと指摘する。そして、柔軟性の高い働き方を実現するには、それぞれの働き方にあわせたPCや周辺機器といった環境のみならず、制度と文化も重要な要素とし、どれが欠けても実現しないとした。レノボとして、今後もテレワークに最適な製品の提供のみならず、持続可能なものとなるような知見やノウハウの還元を続けることができればと語った。
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