レノボは、「テクノロジーと働き方の進化」と題した国際調査の結果を7月16日付で公表した。対象は10カ国(日本、米国、ブラジル、メキシコ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、中国、インド)で、18歳以上の企業・団体の従業員・職員2万0262人(日本は2021人)。調査期間は5月8日から14日。コロナ禍が引き起こした急速な働き方の変化に対するテクノロジーの役割について、在宅勤務、同僚や取引先とのコミュニケーション、ワークライフバランスなどの視点から調査したものとしている。
新型コロナウイルスの流行以降、在宅勤務へのシフトが進んだとした回答者が調査対象10カ国の平均で64%。また在宅勤務の比重がさらに上がると考えている回答者が52%に達したという。在宅勤務時の生産性が、オフィスでの執務時に比べ高くなったとの回答が63%と、PCなどのテクノロジーによって人々の働き方の自由度と生産性が両立される今後の「ニューノーマル」に期待する声が多く聞かれたという。
一方で、日本では在宅勤務時の生産性がオフィスでの執務時に比べて低いとの回答が40%となり、10カ国平均の13%を大きく上回った。生産性の低さが日本での在宅勤務定着・拡大に向け克服すべき課題として明らかになったと指摘する。
日本で在宅勤務の生産性が低い理由として、自らの勤務先企業がテクノロジーに十分な投資を行っていないことを67%が挙げている。この点は、たとえばコロナ禍による在宅勤務開始時に必要となったIT機器やソフトウェアの購入に表れており、会社が全額を負担したという回答者は日本では31%で、10カ国中最低。1人当たりの購入金額も首位のドイツが381ドルだったのに対し、日本では自己負担の比率が高い影響もあり132ドルと、10カ国平均の半分にも満たず最下位となった。
2月から5月にかけて在宅勤務へのシフトが進んだとした回答者は、日本において10カ国中最低の43%という結果にもなっており、働き方のニューノーマル確立に向け、企業によるテクノロジーへの投資が課題としている。
調査では、同僚とのコミュニケーションに差し障りを感じる回答者が、日本では51%にのぼったという。ビデオ会議の活用は回答者の53%、メッセージングアプリは44%という結果となっており、ITツールのさらなる普及によりコミュニケーションの改善が期待されるとしている。また、在宅勤務時のセキュリティに関する不安も大きく、データ流失の懸念をもつ回答者は61%に。このほか、家庭生活と業務の線引きが難しく集中できない(31%)、新テクノロジー導入時のトレーニング不足(20%)といったものが、生産性が上がらない理由としてあがっている。
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