Googleは、「Chrome」ブラウザーに対するプライバシー関連の大きな変更として、サードパーティークッキーのサポートを2022年までに段階的に廃止する計画だったが、それを2023年中盤~終盤に延期した。同社は、ウェブパブリッシャーに収益化手段を提供しつつ、ユーザーを保護する方法を模索している。
Googleは2020年、世界で最も広く利用されているブラウザーであるChromeで、サードパーティークッキーと呼ばれる小さなテキストファイルのサポートを廃止すると発表した。サードパーティークッキーは、ユーザーに合ったターゲット広告を表示することを目的に、広告主、パブリッシャー、データブローカーによって利用されている。そのサポートが廃止されれば、例えば、ユーザーがダイエットに関するウェブサイトを訪問したことを記録して、他のサイトの減量プログラムの広告をそのユーザーに表示するということができなくなる。
Googleは米国時間6月24日、プライバシーを維持しつつサードパーティークッキーに代わる手段を同社が開発してテストするための時間と、各種ウェブサイトがこの変更に対応するための時間を確保するために、このサポート廃止を延期すると説明した。広告とプライバシーの両立を目指す同社の取り組み「Privacy Sandbox」の一環であるこの変更を延期したのは、広告主やウェブを利用するすべてのユーザーにとって、より良い解決策を講じるためだという。
「責任あるペースで変更を進める必要がある。それにより、適切な解決策について公に議論し、パブリッシャーや広告業界がそれぞれのサービスを移行するための十分な時間ができる。これは、無料で閲覧できるコンテンツを支持する多くのウェブパブリッシャーのビジネスモデルを損なわないようにするために重要だ」と、Chromeエンジニアリングディレクターを務めるVinay Goel氏は発表の中で述べた。
近年、シリコンバレーの大手企業に対して、インターネット上のプライバシー問題に対処するよう求める圧力が高まっている。欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)などの法律は、Googleなどの企業がターゲティング広告のために必要とする、データ収集を規制するものだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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